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初接待①
「皆様、お待たせしました!本日は新しい男の子をご紹介致します!ご期待下さい!私達も驚く程の、天使のような美少年です!」
薄暗いホールにオーナーの声が響き渡る。
客席には、眼鏡やマスクで顔を隠した中年の男達が座っている。
ホールは満席だった。
空の噂を聞きつけて、いつも以上の客が集まったのだ。
「では、登場してもらいましょう。空君です!」
合図とともに、空は島田に連れられて舞台に現れた。
空は、少し大きめのTシャツとトランクスだけという格好だ。
Tシャツの丈はミニスカートくらいの長さで、トランクスをギリギリ隠しており、パッと見はTシャツだけを着ているように見える。
ステージの真ん中に空が立つと、モニターに空の顔がアップされる。
途端に客席がざわつき始めた。
「なんて可愛いんだ!」
「まさに美少年だな」
「最高だ!」
「早く脱がせたい!彼の裸を見せてくれ!」
男達が口々に叫ぶ声が空の耳にも届き、空は顔を赤らめて下を向く。
「下を向くな。お仕置きをするぞ」
島田に耳打ちをされ、空は仕方なく前を向き直した。
自分に向けられているこの会場の視線が痛く感じた。
「さて、皆様。最初のショーを始めましょう!」
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