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ライブ配信②

ホテルのスイートルームのような部屋に案内された。 ベッドはキングサイズで天蓋まで付いていた。 ベッドの周りには数台の高価なピデオカメラが配置されていた。 「さて、空君。今日のお仕事を説明するよ」 オーナーは、事務的に話を始めた。 「簡潔に言うと、君達2人がセックスしている様子をライブで配信するんだ」 「なっ…、そんなの…っ」 空は絶句した。そんなことできる訳がない。 「配信と言っても、うちのシアタールームに来ているお客様達に巨大スクリーンで楽しんでもらうというものだ。ネットで世に出るような事はないから安心していいよ」 「そ、そういう問題じゃ…」 「空君、もうこれは決定事項だ。君に拒否権はないよ。AAAランクとAAランクのセックスということで大々的に宣伝し、既に脅威の集客率を獲得している。利益拡大に繋がるビックイベントなんだよ」 オーナーはあくまで淡々と話を進める。 「…こんなの、おかしいよ!こんなにカメラがいっぱいあって、その向こうには沢山の人が見てるのに…そんなところで、そんなことするなんて…」 空は声を震わせて言う。 するとずっと黙っていたレオが空の身体を優しく抱きしめた。 「…レオ…」 レオは空に小さく耳打ちする。 「ソラ、嫌な気持ちはわかるよ。ボクも気は乗らない。でも僕達には拒否する事はできない。今はやるしかないんだ。いつかこの場所から逃げ出す為にも、今は従わないといけないんだよ」 レオは空を諭すように、それでいて少し辛そうな表情を浮かべながら言った。

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