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外出⑤

車が停車し、空達は下車した。 あたりを見渡すと、のどかな田園風景が広がっていた。 標識も何もなく、ここがどこなのかがわかるものは無い事に空は落胆する。 「お前、外に出ればここがどこだかわかるかもって期待してたようだが、それくらい俺達も計算した上でお前を連れ出しているんだ。残念だったな。それに場所が分かったところでお前にはどうすることも出来ないさ」 島田は、空の肩をポンポンと叩いて言った。 「…僕は、こんなところ絶対に逃げ出す…!」 空は臆する事なく、力強く島田に言った。 レオという味方が存在する事が空に勇気を与えていた。 「まぁ好きなだけほざけばいいさ。これからする事を説明するぞ?あと5分程したらバスが来る。お前はその格好のままそのバスに乗れ。そのバスは一時間程で走ってここに戻って来る。それまではどこにも停車しない。ここに着いたら降りて来い。いいな?」 「…それだけ?」 バスに乗って降りるだけ。 それに何の意味があるのかわからず、空は思わず聞き返した。 「あぁ、それだけだ」 島田は意味ありげにニヤリと笑った。 暫くすると、島田の言う通り、バスが来た。 島田に促され、空は一人バスに乗り込んだ。

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