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レオの過去

~レオ視点~ ボクは孤児院で育った。 両親の顔は知らない。 ボクはヨーロッパ系のハーフだから、両親のどちらかが外国人だけど、どちらがそうなのかも知らない。 知りたいとも思わなかった。 院での生活は結構好きだった。 友達も沢山できたし、学校にも通わせてもらえた。 色んな人から容姿端麗と褒められながら育ってきた。 日々の生活には満足していた。 館に連れて来られたのは、数ヶ月前。 学校帰りの出来事だった。 そして、非日常が始まった。 訳のわからないまま、AAというランクを与えられ、身体検査をされ、接待をさせられた。 最初は抵抗をしたけど、すぐにムダだとわかった。 次に仲間を作ろうと思った。 でも、他の子達は既に洗脳されてしまったのか、心を失っていた。 数ヶ月経ち、諦めかけていた時、一人の長身の男が客としてボクの所にやってきた。 金はあるけど品のない普段の客達とは違った、不思議な雰囲気の人だった。 彼は、"スザク"と名乗った。 「キミ達がここから逃げるのを手伝う。その為に情報がほしい」と彼は言った。 最初は半信半疑だったけど、話をしているうちに信頼できる人物打と確信するようになった。 ボクは情報を得る為に、オーナーや島田に取り入るようになった。 彼らも徐々にボクを信頼し始めたみたいだ。 そして得た情報をスザクに横流しにした。 そうして、ボクの心に一筋の希望が芽生えはじめていたけど、館では孤独だった。 友達がたくさんいた今までの生活が懐かしかった。 そんなある日、ボクはソラに出会った。

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