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束の間③
レオは空の両肩を掴んで言った。
「ソラ、時間がないと思うから、今から言う事をよく聞いて」
外にいる島田に聞こえないように、レオは小声で話し始める。
「実は、外の人間と接触する事ができているんだ」
「え‥っ」
レオの話に空は驚く。レオは続けた。
「その人は、裏社会の闇を根絶やしにすることを目的とした組織の一員らしいんだ。客を装ってやって来たけど、この館の内情を知る事が目的みたい。」
空は黙って話の続きを待つ。
「最初はボクも疑っていたけど、何度か会ううちに信頼できる人だと思って、中の情報をこっそり伝えていたんだ。その情報を元に、この館を急襲する計画を立ててくれている。」
「…じゃあ、僕達、逃げられるの…?」
「うん、きっと逃げ出せる。その人にソラのことも話したから、会いに来るかもしれないよ。」
ドアの外側からドンドンドンという音が聞こえた。10分が経ったようだ。
「…ごめん、レオ。もう戻らなきゃ」
「うん、わかった。ソラ、希望を捨てちゃダメだよ。」
空とレオは名残惜しそうに見つめ合うと、チュッというキスをし、空はドアの方へと向かった。
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