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束の間②

「ソラ、どうして…?」 突然、部屋にやってきた空にレオはとても驚いていた。 「僕…、僕!レオに会いたくて…!すごくすごく会いたかった!」 空は泣き出しそうに震えた声で言った。 「ふふ、ソラ。ボクは布団じゃないよ?」 空がずっと布団を抱きしめているのを見たレオがクスリと笑って言った。 「え…、あっ…」 空は、その事に気付き、顔を赤らめる。 そのうちにレオは空に足早に駆け寄り、ぎゅっと空を抱きしめた。 「ソラ、ボクも会いたかった。ものすごく会いたかったよ!」 レオは強く空を抱く。 「レオ…、レオ…ッ」 レオの肌の温もりに、空は涙をこらえ切れずに溢した。 そして2人はどちらからともなくキスをした。 2人は一心不乱に口付けをする。 クチュクチュという音が部屋に鳴り響いた。 長い口づけの後、とろんとした表情の空にレオは言った。 「ソラ、どうやってここに来たの?ボク、行動が制限されてしまって、ソラのところに行けなくて困っていたんだ」 「…島田に頼んで連れてきてもらった。今もドアの外にいて、10分しか時間を与えられていない」 「何か見返りを要求されたんじゃない?」 レオが心配そうに質問する。 「んーん、何もない。大丈夫だよ。」 空は嘘をついた。レオに心配をかけたくなかったのだ。

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