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選ばれた堕天使・3
「話が早いな、脱ぐ動作も手馴れてる」
柳田悠吾がソファに座って脚を組み、俺に指先を向けた。
「売り専の仕事は楽しいか?」
「全然。楽しいと思ってやってる奴なんかいないよ」
「そうか。ナンバーワンになるくらいなら、それなりに楽しんでるのかと思ったが」
「単純な客が多いだけ。稼ぐだけ稼いだらさっさと上がるつもりだし」
俺の態度の悪さには少しも触れず、柳田悠吾が薄く笑った。
「お前はまたあいつとは違う意味で気の強い男だな。気に入ったぜ」
誰と比べてるんだろう。……どうでも良い。さっさと抱けばいいのに。
「俺はここから動かない、好きにしろ」
「え? 帰っていいの」
「阿呆か、仕事はこなせ。一応金は払ってる」
つまり俺からあれこれサービスしろということか。余裕ぶったその顔が気に入らないけど、適当にやればすぐ終わるかもしれない。
そう思って最後の下着を脱いだ俺は、それを床に放って柳田悠吾の方へ歩いて行った。
「失礼します」
光沢のあるグレーのスーツ、中は胸元まで開いた黒いシャツ。俺はソファの前に膝をつき、まずは悠吾のベルトを外した。
続いてボタンを外し、ファスナーを下ろし、下着をずらす。萎えていても体格に見合った造形のそれは、やはり相当使い込まれているらしかった。
「ん、……」
先端から口に含んで、ゆっくりと舌を絡ませる。それから根元まで咥え込み、軽く吸いながら頭を上下させた。すぐに反応を始めた悠吾のそれが、口の中で質量を増してゆく。あっという間に根元まで唇が届かなくなった。
「上手いな」
大きな手のひらが俺の頭に乗せられる。イラマチオされるかと思ったら、意外にも悠吾がそのまま頭のてっぺんを撫でてきた。
「一旦放せ」
言われて口からそれを抜く。垂れた涎を拭って見上げると、屹立したペニスの向こう側に悠吾の不敵な笑みが見えた。
「慣れてはいるが、俺は『好きにしろ』と言ったはずだ。これがお前のやりたいことか?」
「……意味がよく」
「接客やサービスといったマニュアルをとっぱらって、お前がやりたいことだけをやれ、という意味だ」
何をさせたいのか分からないけれど、そう言うなら――。
俺はソファに膝を乗せ、悠吾の上に跨った。向かい合う形で悠吾の首に両腕を回し、囁く。
「乳首舐めて。優しく」
悠吾が俺の胸元に口元を寄せ、尖ったその部分に唇を被せた。
「あっ……」
スローな動きで舌が蠢き、ゆっくりと乳首を蹂躙される。先端を舌の付け根で何度か擦った後で軽く吸われ、唇の隙間から唾液の音が漏れた。
――気持ちいい。
「なあ、舐めながら反対側も弄って」
そう囁けば、悠吾はその通りもう片方の乳首を指先で転がしてくれた。両方されると二倍の快感になる。俺は悠吾の後頭部に手を添え、後ろ髪を揉みながら小さく吐息をついた。
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