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01 政峰、今日も今日とて彼女に振られるの巻。
「もう無理っっ! エロマサの性欲にアタシついていけないっ!!」
「はあっ!? いきなり何言ってっ…」
「いきなりじゃないしっずっと我慢してきたの! もう別れるからっじゃあねっ性欲大魔神!!」
「ちょっおいリコっ!? 待っ…」
ガチャっ、ばたあぁぁんっ!!
「!? ……が、学校のドアは…静かに閉めろよな……って、何に突っ込んでるんだよオレはっうがああぁぁっまたかよぉぉぉっ!!?」
とある平日。とある高校のとある屋上にて、とある一人の男子生徒の雄叫びがうるさいほどこだまする。
ここは、××県向井霞市霞前区(××けんむかいかすみしかすみまえく)にある、
県立向井霞高等学校(けんりつむかいがすみこうとうがっこう)。
先ほどの会話は、高校生とあれば恋に恋するお年頃。
惚れた腫れたの末、めでたく結ばれ恋人同士になることもあれば…その逆、些細なことがきっかけで別れてしまう…なんて話がおきるのもさして珍しいものでもあるまい。
……そう、壊れるんじゃないかってくらい屋上のドアを勢いよく閉め去っていったのは、別れをきりだした女生徒で。
そして、晴れ晴れとした空を一望できる広い屋上にただ一人残されてしまったのは、
「な、何でだようぅっ……今度こそ上手くいくと思ったのに…何でまた振られちまうんだよぉぉぉっ!? ちくしょおぉぉぉ神様のバカやろおぉぉぉっ!!!」
その女生徒と数十秒前までは正式に『恋人同士』であったはずの男、
田所政峰(たどころまさみね)、十六歳であった。
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