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09 これは愛の強さの為せる業っ♪
……けれど。
左右交互に弄っているうちに…ふと、ある一つのことに気づく。
「あれ…?」と思い、ジッと気持ちよさに震える奏多をじっくりと観察し。
「…あっ! わかった!!」
「ぁんっ……ふぇ?」
「なっカナ。もしかしてさ…カナって乳首、右の方が感じる?」
「へ……っ!? えっ、なっ何で…そんなにオレっわかりやすかった…!?」
「あっその反応もしかしてビンゴっ? へへっ、やりぃ!」
「えっ、えぇ……?」
何となくだが…とある部分を見て、
奏多は左より右の乳首の方がより感じるんじゃないかと思い聞いてみると。
……どうやら、奏多は本当に右の乳首の方が感じるらしかった。
突然言い当てられた事実に、驚きの色を隠せないでたじろぐ奏多。
「な、何で…オレ、そんなにわかりやすかったかな…?」
すると政峰は
「へっ? ああ、ううんっ表情はどこ触ってもすっごい気持ちよさそうで、そんなに違いはないんだけどさっ。でもっ」
と、ぐいっと奏多の右手を広げ。
「…ここ。カナってさ、右の乳首オレが弄ったり触ったりすると…こうっぐっぱーって、右の手のひら軽く広げたり閉じたりするんだよね」
「!!?」
そう、手のひらをぐーぱーとさせてみせながら伝えた。
「え…え、嘘……」政峰から伝えられた自分でも気づきもしなかった癖に、
広げられた右手を目をぱちくりとさせ見つめる奏多。
「え…ほんとにオレ、そんなことしてたの?」
「ああ。左触ってる時は普通に感じてたんだけど、右になるとプラス手のひらを必ず動かしてたからさっ。もしかしてこっちの方が気持ちよくって、無意識にそうなってたんかなぁって」
「! …そ、そうだったんだ、ちょっとビックリだ」
「まっ、自分では気づかない癖とかってあったりするもんな、ははっ」
「う、うん、だね……でも、今までオレのそのクセ指摘してきた人なんていなかったのに…なんでまーくんはわかったの?」
今までの恋人たち、誰ひとり気づかなかったであろうその事実にたどり着いた政峰を、
ベッドに押し倒された状態ながらも見上げる奏多。
すると、「う~ん…?」と一瞬考え、しかし政峰は
ぎゅうっ、
「…オレのカナに対しての、愛の強さの為せる業…かなっ?」
「っ!!」
奏多の右手をそのままぎゅっと自らの左手で優しく握り。
照れながらも、まるでいたずらっ子のような笑顔をニカっと奏多にしてみせたのだった。
「っ、ば…バカじゃんっ…」
「え~、バカじゃないしっ! へへっ」
…キュンキュンキュン、ほらまた来た。
自分の知りえなかった癖を見抜いてくれたことも。
それを冗談めかしで……だけどもしっかり照れながら、
愛の為せる業なんて言ってくれちゃうことも。
こんなの、顔を赤くさせるなって方が無理なのだ。
ぐぐ…またも仕掛けられたキュン攻撃に、ジトっと顔を真っ赤にさせながらも政峰を睨み返そうとする奏多。
でも、目の前のニシシと嬉しそうに笑っている政峰を見ると、心はすぐふわっとなり。
「…まーくん」
「おっどした、カナ…」
ちゅっ♡
「っ!?」
「……ふふっ。オレのクセ、まーくんの愛の力で教えてくれて…ありがとね」
ぐにぐに、ずっと自分の右手を握り遊んでいた政峰の左手をくいっ引っ張り。
優しく、その手にキスをし、
嬉しそうな柔らかい照れ笑いをしてみせたのだった。
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