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12 彼にそんな心配は、ご無用。

「っ、なんで…ぁう…まぁくん…一発でソコ押して、はぅ、くるのぉ…?」 「えっ、あ……っ!? えっ今のがそうなの!?」 「! …まーくんって、ふふっほんとさぁ…♡♡」 「っ……」 男との経験はどう見てもなさそうなのに、迷わずピンポイントで自分のイイトコをすぐさま発見してしまう政峰に、快感で震える身体にまたもキュンっとときめきが襲い、とろけた表情を見せ彼を見つめる奏多。 そして、そんな彼に政峰もまた心動かされ―― 「カナっ…!!」 「わっ…んんっ、ん♡♡」 「んちゅ、…はぁ♡ カナっ…オレもう限界っ! 早くカナに挿入れたいっ…」 「っ、まーくん……っでも、今更だけど…ほんとに大丈夫?」 「? 大丈夫って何が…」 「だって、まーくん男とのセックスはこれが初めてでしょ……ここまでは良かったかもだけど、もし、」 ……もし、実際に挿入れてみて、全然気持ちよくなくてイってもらえなかったらどうしよう。 自分だってさっきまではルンルンドキドキでこの時を心待ちにしていたが、そもそもが男性経験がない政峰である。 もし自分の中で快感を得てもらえなかったら……やっぱり奏多とのセックスなんて無理なんて言われてしまったら……そんなの、 「っ……むり、まーくんにそんなこと言われたら…オレ、死んじゃうっ…」 「しっ!? えっどっどうした突然っ…!?」 「やだあぁ…まーくんオレのこと嫌わないでよぉっ……」 「んんんっ????」 実際、奏多とて百戦錬磨ではないので、今まで出会った男の中でセックスまでいったものの 「やっぱり、男はなんか違うわ」と、恋人関係まではいかなった狙ったノンケの男もいたりした。 その時は、まぁそりゃそんな人もいるかぁ…と、特にショックも受けずすぐに別の男を堕としにかかったりもしたのだが。 ……何故だろう。政峰にはそうなってほしくない、と強く思ってしまったのだ。 自分でもわからないが、その未来を想像し涙目になり、 弱弱しく声を震えさせながら突然そんな台詞を言い出した奏多に、首を傾げる政峰。 ……よくわからないけど、でも。 目の前で必死に自分を嫌わないでと漏らす奏多の唇を ちゅっ、 「ん……っ、まーくん」 「へへっ♡ 何でカナが突然そんなこと言ってきたのかはわかんないし、確かに男とセックスするのはカナが初めてだけどさ、でも」 「…でも?」 「他の誰でもない、カナだから…カナとのセックスだからこそ、絶対死ぬほど気持ちよくなれる自信っオレあるんだよなぁ…♡♡」 「っ……!!」 優しく自身の唇でふさぎ。 とびっきりの甘く、だけども自信に満ち溢れた笑顔をしてみせたのだった。

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