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幼馴染教師×強気生徒①

 教室に響く教師の声と、ノートを走る数多のシャープペンシル。皆が集中している中で一人、三島公騎はビクリと跳ねそうになる身体をなんとか理性で抑え込んでいた。  身体の中で一番神経が集まるそこをやわやわと揉み解す、言うなれば『マッサージマシーン』なるものにすっぽりと覆われた公騎のそこは、授業開始時とは比べ物にならない程にその体積を膨らませている。  父親似の鋭い目つきをさらに細め、この状況を作り出した張本人をキッと睨みつけた。  『五限の数学授業中、五十分間一度も達しないこと』。これが、今回柴山から出されたゲームルールだった。 『ペナルティはどうしようか。野外、校舎裏…は既にやったし、……あぁ、校庭に面した窓際で、とか?』 昨日公騎の自室にて、およそ教師とは思えないことを(のたま)い唇を濡らす柴山は、実際そうすることを想像したのか、心底愉しそうな笑みを浮かべていた。  学校の職員生徒はおろか、互いの両親でさえ、柴山と公騎の本当の関係性を知らない。 柴山は人を騙す、というより信頼を勝ち取るのがうまいのだ。 だからもし怪しい挙動を誰かに見られても柴山がそれっぽい事を言えば相手は納得するし、実際、公騎との関係が他の誰かにバレたことは無い。  まさに『誰も知らない秘密の関係』だ。  母親同士が姉妹で家も隣、所謂親戚でありながら家族同様に過ごしてきた公騎は、果たして自分が柴山のことをどう思っているのか、未だに自覚できずにいる。現状、恋人というよりも『身近にいて都合のいいセ〇レ』に近い。  柴山にとっての自分も同様だろう。気まぐれに呼び出しては無茶苦茶に抱き潰し、時々今回みたくアブノーマルなプレイに興ずる。  そんな関係性にどこか心地よさを感じている辺り、自分はどこか壊れている。そう自覚していながらも、公騎はこの爛れた腐れ縁をズルズルと切り離せずにいた。

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