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第13話

 身体中わたあめで出来てるってのは大袈裟な表現で、なんか、でもとりあえず、控えめに、清楚に、慎重に、甘い。  桐島のフェラめちゃくちゃ下手だった。歯は当たるし、舌のざらざら感だけで単調で。やったことないっぽい。でもすごく可愛くて髪触ってるだけで指からぞくぞくした。奥まで咥えられなくて嘔吐(えづ)きながらだらだらに涎垂らして僕のちんこ口から出した。涙目になりながら苦しそうに僕のを頬張る健気な姿に勃たないわけがなくて下手なんだけどビンビンになってる。 「苦しかったらやめていいんだよ」  僕にしかやられたことないんだもんね。僕の先っちょが桐島の頬っぺたを内側から突き上げて、桐島は僕を見上げる。見たことない、ちょっと子供みたいな顔にグッときちゃう。 「ぅんっ…!」  びくって僕のちんこ大きくなっちゃって桐島の眉に皺が寄った。不味かっただろうな、何がとは言わないけれど。 「ごめんっ、!」 「ぁ…む、んっ、ん…っ」  口から出して根元を触って、舌で一生懸命僕のちんこを舐めてくれる。胸がきゅんきゅんする。僕の腿にある手を握っちゃった。また喉の辺りが熱くなって衝動が言えないこと口にしそうになる。 「いいよ、真樹ち。口離して」  顎持ち上げると桐島は口を離した。ぽってりしてる唇が濡れて口の中の唾液飲み込んでて、そこには僕の先走りが混じっていて鮮烈な感じがあった。 「すまない。上手く出来なかった」 「ううん。ちゃんと勃ってるだろ」  まだ掴んでる手で僕の触らせた。完勃ちじゃないけれど上々。 「成瀬…っ」 「な、ちゃんと気持ち良かった。桐島が舐めてくれたんだから、気持ち良くないはずない」  カッて赤くなったのが丸分かりで僕も少し気恥ずかしくなる。 「そ、れなら…良かった…」 「うん。ありがと」  チュウしそうになっちゃって慌てて照準を顎にする。そしたら顎関節症になりそうな細い顎齧りたくなっちゃった。桐島は処女みたいに恥ずかしがっていた。寒いのかと思った。暫く抱き締めていたくなる。舐めてもらって胸揉んでさっさと挿れて終わらせてたのが嘘みたいだ。早くもっと気持ち良くなりたいのは勿論あるけれど、まだ桐島を触っていたい。 「つらい?」  向かい合ってちょっと萎えてる桐島の扱く。桐島は僕にしがみついて、僕は桐島の匂い嗅いだ。優しい匂い。落ち着く。でも胸と股間が熱くなる。 「だい、じょ……ぶ、っぅぁ、」 「出していいよ。気持ち良くなって」  僕の肩に桐島の小さな頭が乗った。可愛い。 「っな、なる、せ…も、」 「僕も?じゃあ…一緒に気持ち良くなろっか」  桐島を四つ這いにさせる。恥ずかしいみたいで、僕は気が向くまで届く限りの場所にチュウしてた。キスマークもう増やさないようにするのが大変だった。そうしてるうちにゆっくり寝転んで腰を上げた。こんなあられもない姿は初めてみる気がする。裏会館のトイレで無理矢理ヤったのに。腿に口付ける。桐島は色っぽい声を漏らした。尻の穴舐めた。綺麗な色してる。ピンク色で、慎ましいってやつ。絵に描いたみたいな処女の色。色素沈着してない。皺一本一本伸ばすみたいに舐めた。どこもかしこも綺麗で戸惑う。僕は今まで何を見てきたんだろう。何も見てこなかった。桐島のこと、何も。  桐島は口を押さえて震えてた。声聞きたいけれど、もう僕は声出さないことにして好きなようにさせた。だって多分これから桐島を抱くのは達央だから。僕も達央なら、多分これくらい桐島のこと優しく抱くと思う。  温感ローション取って掌に垂らした。そこから掬い取って花の蕾みたいになってるところに塗る。 「…っく、んっぁ…」  桐島は嫌がって離れようとした。冷たかったのかな。でも何か液体垂らしてるって感じの冷たさはなくてかなり粘り気のある大分冷めたお湯みたいな感じだった。穴の下の玉とか竿がふるふる揺れて、桐島だからだけれど男のこういう姿も案外可愛いもんなんだなって。絶対、桐島だからだけれど。  離れても指で追って皺にローションを塗り込む。ここに無理矢理突っ込んで真っ赤にしちゃったことを急に思い起こして両肩から重いものが()し掛かる感じがした。すごく、とっても痛くて酷いことした。 「ふ……ぅ、んっ……っ!」  指を1本入れてみる。根元までは入らなかった。桐島の身体がちょっと力んだから、力が抜けるまでお尻とか太腿にチュウした。中は熱くて早く入りたかったけれど焦らない。傷付けない。痛くしない。優しくする。利き手じゃないけれど桐島のちょっと萎え始めてるちんこ扱いた。そうしたら尻も少し緩んで指が進んだ。きゅって締めてくる。 「…なるせ…も、いい…か……ら、」  消え入りそうな声は上擦って、困惑してるみたいな目が僕を振り返る。痛くしちゃう。首を振って少しずつ抜き差しする。利き手じゃないから動かしにくいけれどちんこも扱いた。シーツが小さく鳴ってる。ふるふるしてる。尻にチュウしながら解し続ける。きゅんきゅんきゅんきゅん締めてきて、僕の胸もきゅんきゅんする。 「だい、じょうぶ……だ、……っ」  でもまだ2本も入らない。僕も上手く出来てるのか不安だった。 「成瀬……っ、」  桐島は這うように起き上がって僕の指が中に当たってがくんって震えた。無自覚に流し目線とかするから放ったらかしで落ち着きをみせてた僕のちんこはまたむくむく膨らんだ。 「ダメだよ、真樹ち。痛くしたくない」  なんで成瀬って呼ぶの。ダメだよ、僕に抱かれちゃ。指も存在感も全然違うから? 「いい…大丈夫だ…」  桐島はちょっと目を伏せた。長い睫毛が箒みたいだった。桐島のその目は僕のちんこ見てて少し萎えてるのを気にしてるみたい。69(シックスナイン)するかな。でも桐島には刺激強くないかな。不安げなカオしてる。最後なのに。もう会わないのに。もう触れないのにね。 「男とこういうことするの初めてでさ、その…僕もよく勝手が分からないの。でも真樹ちのこと気持ち良くしたい。痛くしたくない。…最後だから」  多分今日の思い出をずっと引き摺ることになるんだと思う。僕は素直に打ち明けた。悪くないと思う。弱さを曝け出す相手として。 「分かっ……た。でも成瀬…俺だって、君を気持ち良くしたいって、思うことは、アル」  桐島の声はちょっと硬くて小さくなって、顔は赤くて俯いていく。お互い初めての夜みたいな感じでこっちまで気恥ずかしくなってくる。夜じゃないけれども。 「ありがと。いっぱい、気持ち良くなろ?」  僕はまた指で解した。腰を上げたまま桐島は上半身ぐったりさせていた。腸の中傷付けないようにゆっくり指の腹で撫でて前に気持ち良くなってた場所を探す。女の子とはやっぱり締め付け方もヒダヒダ感とかも違ってちんこの裏側なら気持ち良いんじゃないって短絡的に考えて抜き差しした。 「っは、ぁ……っん、」  ちょっと質感違うところがあって押してみると桐島の反応が変わった。挿れたらここを突けばいいんだ。ちんこ扱きながら中に挿れる指を足した。 「ぅあ…っぁ、」 「あと少し慣らしたら、挿れるから…」 「なるせ……ぁんっ…ぁっあっ」  ローションのぬめりでちんこを早く扱けた。先っちょにいくたびにちょっと指締めてあげると腰が前後に揺れて桐島の快感が目に見えた。感じてくれてるの、こんな嬉しいんだなって。手を伸ばしてゴム入れてる箱を引っ掴んだ。桐島を生で感じたかったけれど僕は色んな女の子と生でもヤった。こんな日が来るって分かってたら全部セーフティしたんだろうな。多分病気もらっちゃいないし桐島と生でしたことあるけれど、最後くらい、カッコつけたいし。桐島は潔癖だし。自分で何回か扱いてゴムの袋ぺりぺり破いていたら桐島はちょっとした間を気にして僕のほうを見てた。少し興味深そうで色気もへったくれもなかったけれど桐島と喋りたくなった。 「見たことある?ゴム」  育ち良さそうだし、そういうの疎そう。桐島は首を振った。桐島もオトコノコだからいつか使うかもね。たとえば恋人とだって使う必要あるんだから。嫁さんとする時だってもしかしたら。その辺りのことは知らないけれども。 「実習とかないもんな」  ちんこ見られてるの恥ずかしいな。桐島はずっとゴム付けてるところ見てた。 「真樹ちも付けてみる?」  僕のところの保健体育、多分まともにゴムの付け方なんて教わってない。初めての時は相手の先輩に付けてもらったし。これって奥義とかみたいに伝統とか受け継ぐ式の文化なのかな。じゃあ僕も桐島に教えなきゃじゃん。 「付けたこと、ない……あ、ああ、いや…そういう経験が、そもそも、その…この歳になっても、まだ無い…」 「じゃ付けてあげる」  童貞ってこと気にしてるっぽかったから深くツッコまなかった。でも見て分かる。女転がす感じじゃないし誠実そうだし本当に初めての女の人は結婚前提でお付き合いみたいなことしそうな感じあるし。別に生じゃないと絶対ヤらない、だからゴム付けたことない、みたいなイメージは一切ないよ。  ゴムの包装破って上の乳首みたいなところ摘んでくるくるしてるところ下ろしてあげる。透明のにしておけばよかった。派手なピンク色のだからなんかあんまり似合ってない。桐島のはちょっと皮が余ってるから根元に寄ってる分を内部に戻してあげる。 「きつくない?」  市販のよくあるサイズのだから小さいってことはないと思うけれど。慣れだよな。僕も最初は違和感が嫌だった。桐島はこくんと頷いて、それが他人行儀な感じがして可愛かった。 「手慣れてるんだな」 「えっ!あ!まぁ…モテるからね」 「ありがとう。また勉強になった」  いや~、これ勉強なのかな。でも良かった。良くないよ、桐島、ゴム付けるたびに僕のこと思い出しちゃうかもじゃん。それってどういうシチュエーションだか分かってる?相手は女の子かも知れないし男かも知れない。でも僕じゃないってことは確か。ゴム付けるたびに僕を思い出す、悪くないかも。とはいえそれが嫌で生でしかヤらないってなったら困るよ。 「勉強って…まぁ、役に立ったなら良かった」  ムード壊れてるけど桐島と話せて嬉しい。でも桐島は僕に目を合わせず、でもどこを見るでもなくきょろきょろして落ち着かなかった。 「怖い?」 「怖くは、ない……」  でもまだ僕に目を合わさない。あんまりこういうことに積極的じゃないのは知ってる。嫌悪だってしてるんじゃない?相手が相手だったから桐島は暴挙にでただけで。好きでもない、むしろ嫌いな僕に好き好んで抱かれたいはずがない。それに、多分今やろうとしてるのは尻穴ずぼずぼして気持ち良くなる誰かのカラダを使ったオナニーじゃなくて、エッチでもなくて、セックスだ。 「やっぱり嫌だ?…それならやめるから正直に言って。ただちょっと、もうちょっとだけ、こうしてたい」  身体密着させて背中に腕を回す。裸だともっと細くてもっと硬くて平たかった。やっぱり胸当てるのって落ち着く。桐島の心臓のリズム、知りたいな。でも僕の心臓のリズムでどくんどくんした。伝わってるかな。伝わらないほうがいいかな。僕は僕の中に桐島を残したいけれど、桐島の中に僕を残したくない。そんなワガママ。 「自信がない」  僕の耳元でぽつりと呟いて、もしかしたら聞き逃してたかも知れないくらいひっそりしてた。 「え?」 「君を気持ち良くさせる自信がない」  硬くて平たい背中を延々と撫で回す。肌が本当に綺麗で掌が溶けそう。境界線が分からなくなる。死ぬまで永遠に続けちゃういそうだから今度はちゃんと指交互にちゃんと入れて手を繋いだ。 「そんなもんなくて良い」  僕がいっぱいつけたキスマークで凄いことになってる首舐めながら押し倒す。でもどこか打ったら嫌だから背中に片腕回した。すべすべ過ぎる肌をまた撫で回したくなる。柔らかい布団と気持ち良過ぎる桐島の背中に挟まれた手がもうちんこでセックスしてるんじゃないかと思うほど気持ち良くて抜き差ししたくなった。 「挿れるよ。リラックスしてて、疲れちゃうから」  時間かけて慣らしたら場所にまた指を挿れた。ここに挿れるんだよってカラダがびっくりしないように。顔赤くしてる桐島が焦ったように頷いた。可愛い。ゴムに覆われた先っちょをそこにくっつけて腰を進める。 「ぅあああっ、く…ぅ」  髪撫でておでことか目元とか耳にチュウした。胸も摩った。カリのところが難関だった。真っピンクのゴム付けてるちんこ少し萎えちゃってた。 「真樹、ち…真樹ち…」 「成瀬…っぁ、んっ……ンぁあ……く…」  すごく締め付けられて、でも中に引っ張られる。痛みと苦しさに集中しないように耳とか首とか舐めながら手を強く握り直した。恋人繋ぎみたい、虚しいね。カリがなんとか収まると、まだ抵抗感あったけれど桐島は特に大きな苦しさをみせなかった。僕の大きさを慣らしながら焦らず挿れていく。気持ち良さもあって、腰が勝手に動きそうで、そのたびに僕は深呼吸した。 「動いて、大丈夫だ……っ」 「まだ、つらそうだから…だめ、」  桐島は少し青褪めていた。僕は気持ち良くて桐島が苦しいなんて絶対ダメ。シーツに指立ててる腕を取って背中に回させる。 「ちゃんと、捕まっててね」  また少し腰を進める。半分はもう入ってる。きゅんきゅん中が締め付けてくるから快楽との戦いになる。気持ち良くて僕もちょっと声出ちゃってた。桐島がそんな女の子みたいな声出してた僕を潤んだ目で見上げてて恥ずかしくなる。でも目が合うと桐島はまた顔を赤くして、中がきゅんきゅんして僕はまた膝震わせながら突き入れちゃいたい衝動に逆らわなきゃならなかった。 「なるせ…っぁ、う、んん…っ!」  あと少しで全部入る。切れてないか心配になってぎちぎちになってる入口を撫でた。 「真樹ち……」  ゴム付けてるのに繋がってるって感じにググッときて、僕は別に尻にちんこ挿れられてないのに腹の奥底からぐつぐつに煮えてるものが迫り上がってきて喉も鼻も通り越して目から熱くなって出てきた。 「っぁあっあ、あ…」  桐島の上半身に倒れ込んじゃう。腰ちょっと動かすだけでちんこは溶けそうなほど気持ち良いのに下半身とはまた違うとろとろした感覚に陥って桐島を抱き締めた。変態みたいな自分の鼻息に驚く。まだ桐島がつらそうなのに止まれなくなりそうで、強く強く桐島を抱き締めた。 「なる、せ……我慢する、な……っ」 「だめ……乱暴にしちゃいそうだから…っまだ、待って…」  挿れてるだけでイっちゃいそうなのに動いたらどうなるの?試しにちょっとだけ腰引いた。 「…っ、ぁ」 「な、る…っんあっ!」  熱くてうねって、柔らかいのが絡んでる。口閉じれない。気持ち良い。頭がバカになりそう。試しに動いただけなのに止められない。桐島とひとつになってる。 「気持ち……いい、きりしま、きもち…ぃ、」 「ああっあっあっ!」 「きりしま、きもち…ぃ、っああっ…」  だらしない声出てた。もう自分でも何言ってるのか分からない。桐島がきゅうきゅ締め付けて、僕は中を削って、なのに包んで、奥に引き寄せてくれる。ゴム付けてるのにすごく生々しく中がうねるのを感じる。 「きりしま、きりしま、…っ」  好きって言いかけて飲み込んだ。好きな人とセックスしてるんだって思ったらちんこがもっと敏感になっちゃって気が狂うかと思った。脳味噌も下半身も骨ごと溶けちゃいそうだった。桐島のこと大事にしたいのにもう気持ち良くなることしか考えられない。だって僕が気持ち良くなると桐島からもっと気持ち良くなっちゃう声出るんだもん。 「んぁ、なるせっ…ッあっんんっ」  膝の裏担いでもう止まれなくて腰を打つ付けた。かくかく腰が波打って頭の中沸騰してるんだと思う。 「あっあっあっああっ!」 「きりしま、すごい…きもち、きもちぃ、ぃ…」  桐島の声をもっと近くで聞きたくて首筋に顔を埋めた。汗とシャンプーと桐島の匂いでちんこがまたずくんって響いた。 「な、るっ、ぁっあぅあっ!」  今までのセックスって何だったんだろうって思うくらい。僕って童貞だったのか。 「きりしまっ……きりしま、」  首舐めてるだけじゃ足らなくて我慢なんかもう出来なかった。ピザ食べちゃったけれどキスしたい。舌入れないようにするから許して桐島。 「な、ぁっんんっ」  唇も柔らかくて僕の唇に跳ね返っただけでも頭がじ~んとしてヤバいクスリとかやったことないのに多分こんな感じなんじゃないかと思って、そんなもの無くても好きな人と繋がるだけでキマっちゃうなら、それは人類バカになるわけだわって。 「んっぁっんんっ…ぁっ」  お互いに唇を噛み合って、何度もぶつけ合って気持ち良すぎて桐島の中抜き差しする。口もちんこもとろとろになって夢中になって腰振った。ギシギシベッドも鳴いてる。 「んっんっぁあっあああっぁ!」  僕を強く抱き締めて桐島の長い脚が僕の腰に巻き付いた。中もぎゅうぎゅうに締まってどこもかしも桐島で満たされる。 「きりしま、」  中に出ちゃう、って思ったのにゴム付けてるの忘れてた。 「っんっぁ」 「ごめん、イく…っ、」  奥まで突き入れて射精が始まった。びゅるってゴムの中で弾けた。まだくっついていたい。やっぱりベロ挿れたい。まだはぁはぁしてる桐島の顔覗いた。 「なる…ンんっ」  下も繋がったままで上でも繋がった。気持ちいい。何しても気持ち良い。永遠にこうしてたい。桐島の口の中に僕の体温が溶けて、舌が疲れるまで桐島のベロ救い上げたり巻き込んで回した。桐島の鼻から抜ける声に興奮して終われそうになる。もうずっと死ぬまで、死んでも桐島とベロチュウだけしてたい。 「ンッ……っく、ぁ、ぅンっ」  僕の肩とか首に落ち着きなく桐島の手が回ったけれど、中でさっきみたいにちんこぎゅうぎゅう締められて、そしたら桐島はくた…ってしちゃった。気絶しちゃったのかと思って焦った。 「きりしま!」 「……っ、すまない、力が、入らなくて、」  僕は首を振った。桐島は恥ずかしそうに口元を隠す。僕は起き上がってゴムを外した。桐島の真っピンクなゴムも白いの入ってたからそれも口縛って捨てた。 「もう1回、していい?」 「……好きに、しろ……っ」 「嫌ならしない」  でもチュウはする。頬っぺた両側から掴んだ。もうに逃がさないで飽きるまでベロチュウしたい。 「嫌ならしないよ。きりしまに従う」  でもまだ桐島の体温と遊んでたい。楽しい。大好き。返事聞くまで色んなところに頬擦りした。腋も桐島の匂いがしけれど腋なのに臭くなかった。桐島の腋の匂い嗅ぎたかったのに洗剤の匂いと桐島の匂いが少し籠っていていやらしすぎて舐めた。 「舐めるな、そんなところ」 「全部舐めたい。きりしまの全部舐めたいよ」  ぽってりしてる唇舐めてやった。桐島の蕩けたカオに鋭さが戻る。 「成瀬…っ」 「それとも、きりしまが僕のこと好きにする?」 「い、いい……!」 「僕はきりしまに好きにされたいけれど」  桐島は戸惑って、僕は綺麗な髪撫でてしっとりしてるその肌を手で拭いた。 「成瀬に尽くす……これで最後なんだろ?」  桐島の手が僕の頬っぺ触った。桐島はあんまりダメージなんか無いみたいだ。そうだよな、僕は桐島に酷いことしかしてないし、酷いことしか言ってない。桐島は起きて僕の両肩を掴んだ。 「つまらなかったら、すまない。努力はする」 「僕の台詞だよ」  何するんだろって思った。桐島は僕を押し倒してぺたぺたちんこ触った。何してるんだか分からないけれど好きな人に揉まれたり突かれたり弄られたらギンギンになっちゃって、桐島はそこに跨がった。首仰け反らせて背中もしならせてる桐島に見惚れてた。 「っぁあ……っん…っ」  めりめり僕のカリが桐島の狭い中を拡げた。削っていくみたいに。全部入った途端に桐島は膝をついて項垂れた。 「…っはぁ、は、っん…ァぁっ…」  僕は気持ち良くて両手両足を張って突き上げるの我慢してた。でもきゅうきゅうでふわふわの中に締め上げられて急にヤバい事実を知ってしまう。 「あ、ゴムしてな、い…!」  思い出して起きようとしちゃって勢いよく突き上げちゃった。 「ンや、ぁっ!」  びゅるって臍の辺り何か飛んだ。桐島は両手で口を押さえて、僕はおそるおそる桐島を見た。桐島も怯えた目で僕を見てた。身体が一瞬で熱くなってちんこバッキバキになっちゃってた。ちょっとだけ、ちょっとだけまた突きたい。細い腰を支えてちょっとだけ、ほんのちょっとだけ腰引いた。ぞくぞくする。 「待っ、あっあっんっぁ、」  ちょっとだけのつもりだったのに、僕は桐島の中も反応してくるってことをまったく考えてなかった。抑えるなんて無理だ。気持ち良過ぎてせっかく桐島から乗ってくれたのに僕はがっついてずんずん突いちゃう。 「あっあっっああアッァあっ、ひ…」 「きりしま、きりしま…きりしまぁ…」  見下ろされてるのすごくいい。また手を繋いでた。今度は両手。何回やっても上手く交互に入らなかったからもうぐっちゃぐっちゃに握り合った。余裕ないよ。こんなセックス初めてだ。ゴム30秒くらいで付けられるようになったって、女の子のGスポットの位置把握してたって、本当のセックスについて僕は童貞だった。初めてが桐島で嬉しい。僕、そんな初めてとか初めてじゃないとかにこだわるタイプじゃなかったのに。嬉しくて泣きそう。 「なる、せ、なるせぇ、あっあああッんっ…!」 「きりしま、気持ちい、きもちぃ、きりしま…!」 「あた、る!奥、当たる…!奥っぁあっあ!」 「奥が気持ちいい?」  両手繋いだままで桐島は上向いちゃってがくがく揺れてた。喉仏の影がエッチ過ぎる。気持ち奥を狙って突く。シーツがぼすぼす音を立てた。 「なるっ、なるせ、あっあっあああっあっ」  叫ぶみたいに桐島は僕を呼んで、中がうねった。ふわふわでとろとろなのに中で搾り取られる。気持ち良い。とにかく上に持っていかれる。その感触を求めて同じところを突いちゃう。 「へ、んだ、あっあっああ…!へ、んに、な…る、!」 「っ、こわ…い?や…める?っぁ」  その間も突くのやめられなかった。怖いやめたいって言われたらやめられるのかも分からない。 「なるせ……ンぁ、だい…じょぶ。つづ…けてく、…れ、っぁあっ」  桐島の両手の指が僕の両手を強く掴んだ。可愛い。まだ手を繋いでいたかったけれど上半身起こして胡座かくみたいに繋がった。桐島を抱き締められる。長い脚が僕の腰に回って、密着する。 「なるせ、」  安心したような顔が近付いて、でも鼻先が触れそうなところで桐島は止まったから僕から迎えにいってキスした。 「な、ぁあん」  鼻先押し付け合ってするキスの楽しい。汗でいっぱい髪が張り付いてていつも見てた雰囲気と違ってすごく良かった。僕だけが知ってる。でももしかしらこれから、僕以外の人が知るんだろうな。  飽きもせずベロチュウしてた。でも桐島の舌がいきなりへにゃんってなって、僕の腕の中で桐島の身体がぴくぴくして僕の腹に当たってた桐島のがまたぴゅるって精液飛ばした。感じやすいんだ。すごく可愛い。耳も舐めたくなった。ひくんひくんまだ動いてて僕の腹で桐島のが擦られる。僕の腹、桐島のいっぱいかけて欲しい。 「可愛い、きりしま。すごく可愛い」 「す、まな……また、あっああっ」 「いいよ。いっぱいイって?いっぱい気持ち良くなって」  桐島の扱いて最後の一滴まで搾り出す。中がきゅんきゅん締め付ける。それに負けないように奥をぐりぐりする。 「なるせは……?」  僕の顔見て訊いてくる。律儀だ。可愛い。 「すごく…気持ち良いよ…」  ありのまま答えると桐島は僕の肩口に頭を倒した。疲れちゃったのかと思って繋がったまま抱き上げて寝かせる。正常位。体勢が落ち着くと桐島は両手顔を隠した。だから両手掴んで顔出させる。僕も顔近付けた。目、合わせたまましたい。 「なるせ…」 「きりしま、」  桐島も目を逸さなかった。見つめ合うと、もうどっちが挿れてるとかどっちが受け止めてるかとか分からなくてなって僕は桐島のものなのかも知れたいなんて思った。興奮して腰を打ち付ける。桐島の目の中にも桐島のカラダの中にも僕がいる。 「な…るせ…も、だめ、だ、だめ……っ」  綺麗な目が濡れて、ぽろぽろって涙が落ちていった。またイっちゃうみたいだ。僕はちょっと浅めに突き入れた。桐島の好きなところをカリで引っ掻いた。桐島は顔を僕から逸らす。ビクビクって全身を震わせて、すごく可愛い声を出してた。とにかく可愛くて綺麗な声がした。僕もそれを聞いたら興奮しちゃってカッとなって中に突き込む刺激でイった。中に出しちゃってる。でも止められない。まだ奥に入ろうとしちゃってる。射精の気持ち良さに浸ってるうちに、ひくっひくってしゃっくりみたいな声が聞こえた。いつの間にか僕の手の中には大事な人の手なかった。 「ごめん、なるせ……ごめっ……」  桐島は両目を手で隠してぼろぼろに泣いてた。 「成瀬の邪魔するつもりない、けど、佐伯のコト、諦めきれない…」  顔を両手で覆って桐島は年齢に見合わない子供みたいな声で泣いた。 「邪魔しない……佐伯は俺を好きにならない、分かってる。でも、」  僕は黙った。しゃくり上げて咽び泣いて、それでも一生懸命言葉にしようとしてる。 「ごめん……何も求めようとか期待とかしないから…っ好きでいたい。遠くで見てられるだけでいいから…ごめん…」  つらいな、片想い。なんでこの人の失恋まで見なきゃならないの。なんでこの人を失恋させるのは僕なの。なんで恋は学業成績で決まらないの。なんでどれだけ好きかじゃ決まらないの。なんでさ。どうしてさ。僕の好きなの叶わなくていいからこの人の叶えてよ。 「でも、僕は達央と付き合うから」  桐島はこくこく頷いた。気の利いたこと何も言えない。達央は僕の人生の主人公だから。僕は僕の世界でも主人公じゃなかったから。

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