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第8話🌿あの日の約束と買い物と僕の元恋人二人

凌杏の実家訪問から 半年経ち、春になり僕は出産した。 子供の名前は“心咲”にした。 凌杏が僕の名前の一部を どうしても入れたいと言ったから この字になった。 そうこうしている内に さらに一年が経ち、 心咲も一半歳になっていた。 母親達は仲良くなり、 今では二人でランチに行ったりしている。 最近はどっちかが心咲を 預かってくれたりもしている。 『ねぇ、凌杏 あの約束、覚えてる?』 心咲が生まれて 落ち着いたらするという あの約束。 今日は母さんが 預かってくれていて 久しぶりに二人きりだ。 『えぇ、勿論ですよ』 よかった。 『ですが、本当にいいんですか?』 慎重だなぁ(苦笑) 『頼んでいるのは僕の方だよ。 ねぇ、早く頂戴♡♡』 一年半も待ったんだから これ以上は一秒だって待てない‼ 『わかりましたよ(๑^ ^๑) ほら、これ、飲んでください』 凌杏が僕にオレンジジュースが 入ったコップを渡してきた。 それを、一気に飲んだ。 『即効性ですから もう、身体が暑いでしょう?(クスッ)』 確かに身体が暑い…… 脱ぎたい。 そう思った時には 身体が勝手に動いていて 脱ぎ始めていた。 僕は凌杏の服も脱がし 既に兆しているソレを口に銜えた。 『あなた、そんな事 何処で覚えてきたんですか?』 “こういう事”を僕に 教えたのは他でもない凌杏だ。 『君からだよ』 それ以前の恋人達とは 実は、一人を除いて 身体を重ねた事がない。 『媚薬の効果もあるんでしょうけど あなたが 銜えてくださるとは想定外です』 普段は恥ずかしいから こういう時だけしかできない。 『ところで心綺人、 私に()れられたくて 此処をもうこんなに 濡らしているのですか?(ニヤリ)』 あっ。 気付かれてしまった////// 既に濡れているソコに 指二本を()れられ、 卑猥な音が自分の耳に入って来た。 『そうだよ……』 銜えていた口を離して答えた。 『クスッ、あなたの口の中は 気持ちよかったですが やはり、こちらに()れたいです』 喋りながらも器用に 中に()れた指を動かしている。 『はぁ~ん♡♡ 指じゃ嫌だ…… 僕のエッチなマンコに早く 凌杏の()れて‼』 媚薬のせいなんだろうけど 自然とおねだりの 言葉が口から出てきた。 『ひゃっ、ぁっ‼』 指を抜き、 いきなり挿入(はい)って来て 容赦なく突いてくるけど それが、堪らなく気持ちいい♡♡ しかも、見せつけるように 僕の愛液の付いた指を舐めた。 『僕の中、気持ちいい?』 凌杏も気持ちよくなっているかな? 『えぇ、 気持ち良すぎなくらいですよ』 なら、よかった。 『全部、中に頂戴?』 初めて“こっち”でシた時と 同じ台詞を言ってみた。 『いいですけど、この一回で 終わらす気はないですからね』 わかってる。 凌杏が作った媚薬を 飲みたいって言ったのも、 淫らな僕を見て、止められないと 言った凌杏に 了承したのも全部、僕の意思。 『もっと……もっと…… 僕を壊すくらい突いて♡♡ 全部、僕の中に出して♡♡』 一滴残らず、僕の中に欲しい。 一度イったはずなのに 凌杏は直ぐに復活して 激しく突いてくる…… 『はぅ……イヤ…… ぁぁ‼ ソコ駄目‼ イく……イっちゃうの~‼』 僕のイイところばかり 狙って擦られて 気持ち良いすぎて可笑しくなりそうだ。 僕が泣き叫ぶように“イヤ”とか“駄目”とか 思ってないけど口から発する 言葉を全て流して 前でも後ろでも 散々、イかされた////// 久しぶりだったのと媚薬の効果で、 僕の声が嗄れる寸前まで啼かされた。 あの宣言通り、凌杏は凄かった。 『凌杏、愛してる♡♡』 掠れかけた声で 意識を手放す寸前に呟いた。 『私も愛していますよ』 凌杏のその言葉を聴いて 僕は幸せな気持ちのまま眠った。 ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧ 久しぶりに抱いてもらった日から 二週間経ち、 僕達はデパートに来ていた。 心咲の服も欲しかったし 凌杏も本屋に用があるということで 三人で買い物に来たのだった。 凌杏を心咲と二人で 待っていたら、遠くから 名前を呼ばれた。 何であの二人が一緒にいるんだ? 『佳慈と陽音!?』 まさか、 元恋人二人に会うとはね(苦笑) 「久しぶりね心綺人」 陽音は高校時代の恋人で後輩で 過去の恋人の中で 唯一身体を重ねた相手だ。 佳慈は大学時代の恋人で同い年。 『何、二人は付き合ってるの?』 多分、職場が一緒なんだろうし、 雰囲気からして恋人同士なんだろう。 「あぁ」 これは、不思議な巡り合わせだ。 『心綺人・心咲 お待たせしました』 話していると 凌杏が戻ってきた。 『お帰り、そんなに待ってないよ』 二人は凌杏の 綺麗な容姿に驚いている。 『心綺人、そちらのお二人は?』 そりゃ気になるよな。 『二人とも、学生時代の恋人だけど 今は二人が付き合ってるらしいよ』 凌杏が座ると心咲は抱っこをねだった。 荷物を僕が持ち、 凌杏が抱っこすると 嬉しそうにギュッと抱きついた。 『心咲は“パパ”が大好きだな』 僕の台詞に二人は またしても驚いている(笑) 『そんな事ありませんよ(๑^ ^๑) どっちかというと“ママ”のあなたから 離れようとしない方が 多いじゃないですか。 子供は母親の匂いに安心するのですよ』 僕達の会話に二人は ついてこれていない。 「どういうこと⁉」 陽音が何度も瞬きをしながら 訳がわからないという 声音で訊いて来た。 『紹介がまだだったね。 僕の“旦那さん”と“娘”だよ』 二人は開いた口が塞がらない状態だ。 『初めまして、 心綺人の“夫”でこの子の“父親”の 向瀬凌杏と申します』 多分、容姿だけでいえば “凌杏が”僕の妻だと 思われがちだけど実際は逆で “僕が”凌杏の妻だ。 まぁ、そもそも 同性夫婦というのは 珍しいわけだけどね。 「心綺人、子供生める身体だったの!?」 元彼がそんな身体だったと 知ったら吃驚するのは当然だ。 『まぁね(苦笑) 雲川先生は当時から 僕の身体のことを知ってたけどね』 陽音はとうとう 言葉を失ったみたいだ。 佳慈も何か言いたそうに 口を開くが言葉が出てこないみたいだ。 『まぁ、そういうことさ』 僕はバイで両性具有。 そして、凌杏の妻で心咲の母親だ。 『僕達はそろそろ帰るよ』 凌杏の本屋が最後だったから 後は帰るだけだったけど 二人と話してたからね。 『今は色々と混乱 しているだろうから 落ち着いたら、連絡して』 鞄からメモ帳を出して 携帯の番号とアドレスを 書いて陽音に渡した。 凌杏は心咲を抱っこしたまま 二人にお辞儀をした。 放心したままの二人を 置いて僕達は帰途についた。

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