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プロローグ・2

 逸朗は、クラスでも数少ないαだ。  人口の大半はβで構成されているのだから、おのずと学級内の内訳もそれに沿った百分率になる。  そして旭は、これまた数少ないΩだった。 (αの俺が、Ωのお前なんか相手にできるか、っての)  そんな断り文句まで考えながら、逸朗は旭を待った。 「真柴くん、ちょっといい?」 「何だよ」  旭は逸朗を上から下まで眺めたうえで、うなずいた。 「うん、決めた」

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