4 / 153

プロローグ・4

「はい、終わり。ごめんね」 「だから、何なんだよ」  秘密、との答えを残して、旭は席に戻った。  困惑している逸朗に、クラスメートが数名集まって来た。 「あれってさ、セーターの寸法測ったんじゃね?」 「セーター?」  友人たちは口々に、逸朗を冷やかす。 「いいな~、手編みのセーター!」 「しかも、宮城から!」 「羨ましい!」  馬鹿言うなよ、と逸朗は逃げるように席に戻った。

ともだちにシェアしよう!