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プロローグ・5

 まさか。  まさか、宮城が俺に手編みのセーターをプレゼント!?  旭はクラス一、いや学園一のモテるΩだ。  端正な容姿だけでなく、何かにつけて劣ると言われるΩにしては成績も優秀。  温厚な性格も手伝って、みんなに好かれるアイドルなのだ。 (マジ? いやいや、俺はα様だぜ?)  Ωからのプレゼントなんか、受け取れない。  そんな断り文句を考えた。  しかし一方で、逸朗はαはαでも、ちょっぴり凡庸なαだった。  もともと実力はあるが、努力をしないので成績は中の上。  芸術もスポーツも、同じ理由で中の上。  自分ばかりがαであることを誇りとしている、自意識過剰な少年だった。

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