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第一章 編み込まれる思いの数々

 翌日から、旭の編み物は始まった。  いろんな色の毛糸球をいくつも用意して、丁寧に編んでゆく。  初めの頃は昼休みだけだった編み物だったが、日を重ねるにつれ10分間の休み時間にまで手を動かすようになった。  逸朗は、それを窓際からいつも見ていた。  編み物をする旭は、とても幸せそうな顔をしている。  軽く瞼を伏せ、口元に笑みを作って。 (俺のことを考えながら、編んでるのかな)  そう思うと、悪い気はしない。 (いや、優秀なαである俺は、Ωの編んだセーターなんか着れないんだ!)  どうやって断ろうか、などと考えていると、友人たちが集まってくる。

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