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第21話

 『...ぁっ、くっ...土屋、苦し...い、』  『でも、渉君のすごい元気なままだよ?』  『それ、でも...あっ!待っ...まだ...うっ、』  『大丈夫、大丈夫だから...さ』  仰向けで折り曲げられる体。足は胸につくほどまでの近さにあり、すごく息苦しい。  しかし、そんなこともお構いなしに土屋は俺の中を激しく掻きまわす。  『うぅっ...あ...ん、んっ』  『はっ、すご...渉君、ちゃんと俺とヤったこと覚えててよ?』  ぼーっ、とする頭の中、そう耳元で囁く土屋の声が聞こえる。  だけど連続的に与えられる前立腺への刺激で思考はままならず、また先程まで飲んでいた酒のせいもあり 俺はそれに応えることもなく、ただただ喘ぐだけ。  『今までいろんな奴とヤってきたけど...渉君が一番だよ』  優しい声音の土屋。しかし俺を攻めたてる律動は息をするのもままならないほど激しいものだった。  『土、屋...つ...ちや、』  『渉君...』  近づく顔。そして荒々しい律動とは打って変わってそっと唇は重ねられる。  「んん...っ、ふっ...ぁ、土屋...」  「おはよう。俺の目覚めのキスはどう?渉君」  「...最悪」  息苦しさで目を開ければ夢の続きかの如く、視界に広がる土屋の顔。  とん、と土屋の肩を軽く押し、体を起き上げるが頭が痛みそれに比例して胸やけもひどく、俺はもう一度ベッドに横になった。  「大丈夫?二日酔いかな、」  「結構やばい、」  ―しかも腰痛いし、喉の調子も悪い。  「まぁ、ゆっくりしていきなよ。今日学校休みでしょ。俺は昼から行くけどさ...ねぇ、渉君、昨日のことちゃんと覚えてる?」  「...っ、今の自分の状況を考えれば...嫌でも思い出す。」  スッと背中から腰にかけて、意味ありげに撫ぜられ一瞬息が止まる。  そして同時にひどい後悔が胸の内を押し責める。  “土屋とヤった”その事実を改めて考えさせられると、やけにそのことが重く感じられた。  「よかった。それよりもさ...渉君、男慣れしてるよね。結構すんなり後ろも入ったし、なんか雰囲気も慣れてる感じ...それに、体中にすごい...痕残ってるよ」  「...るせぇ、勝手に推測するな。あんたには関係ないだろ」  「ひどいなぁ、こんな親密な関係になったのに。あっ、そう言えばさっきから携帯なってたよ、何回もしつこく」  そう言うと土屋は一度俺から離れ、机の上にあった俺の携帯を持ってきた。

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