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番外編1-8
「ん゛んっ!んッ!...はっ、あ゛っ...はっ、げほげほっ、」
「うーん、まだきれいにはなってないかな」
「あ゛っ、あ゛、も...やっ、嫌だ、ぁっ...あっ、ん゛、ん゛んっ!」
場所は部屋の洗面所。俺は兄貴に乱暴に突っ込まれながら水の張った洗面台の中に顔を沈められていた。
兄貴が腰を乱暴に押しつけてくるせいで水の中で息を止めることができず、口と鼻から大量の水が入ってくる。
苦しくて、痛くて、俺はワケも分からずに喚くが、兄貴は容赦なく何度も後ろ髪を掴んで水の中へと俺の顔を沈める。
「他の男とキスなんかして、僕が許すとでも思ったのかい?」
「げほっ、はっ、はっ、あ゛あっ!あっ、痛...っ、」
そうして漸く後ろ髪を離したかと思えば、今度は床に俺を押し倒し、息つく間もなく激しい律動を再び始めた。
ろくに慣らしもしないせいで、後ろの穴は悲鳴を上げ、赤い筋をつくった。
「許せない...許せない、許せない。僕以外の男とキスをしたこの唇が。...キスをしている最中、あの男の唾液を飲み込んだのか?この、喉を通って渉の体の中に入っていったのか?」
「は、あ゛...っ、苦、し...っ、」
中を乱暴に掻きまわしながら兄貴は俺の首を両手で掴み、首を絞めてくる。
息ができず俺はボロボロと涙を流し、兄貴の手を外させようとするが力など入らず、意識ばかりが遠のいていく。
「悪いことしたって、わかってる?ねぇ、」
冷たい兄貴の手と、視線。だけど俺のナカを激しく突くそれだけは異様に熱かった。
「あ゛っ...は、ぁっ、ごめ、なさ...っ、ごめ....さ...っ、」
止まることのない涙。苦しさで歪む俺の顔。
「たすけ...て...はっ、ぁ、あに、き...っ」
そして俺は全てを投げ捨てて縋りつく。力の入らない手をなんとか持ち上げて兄貴の首に甘えるようにして絡める。
「はっ...はっ、は...う゛、げほっ、けほけほっ、」
「しょうがないね...」
すると兄貴は笑み、俺の首を絞める手を離してくれた。
ひゅっ、と一気に酸素が気道をとおり、激しく咳き込む。いつの間にか律動は止まっており、それ幸いとその間に俺は何とか息を整えた。
「ちゃんと反省した?」
兄貴のその問いに俺は何度も頷いた。
もうあんな苦しい目になんてあいたくなかった。この状況下で兄貴に逆らうのはバカな行為だということは、俺でもわかる。
「そう。じゃあ聞くけど...――渉の全ては、一体誰のモノ?」
突如、無表情になる兄貴の顔。今の俺に言える答えなど、一つしかなかった。
「俺の、全ては....
兄貴のもの、だ....」
俺の言葉を聞いて再び嬉しそうに笑む兄貴。
「そうだよ。よくわかってるね」
― あぁ、やっぱり兄貴から逃げることなんて無理なことなんだ
そうして始まる律動。体中につけられる噛み痕。
俺はただただ喘ぐことしかできなかった。
end.
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