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番外編1-7
「んっ、俺はやられたらやり返しますよ、ハヤトさん」
「わっ!渉君積極的!俺困っちゃうなぁ」
俺も少し酔っているのだろう、気分が上がっていたため、悪ノリして同じようにハヤトのモノを握り、そして上下に擦りあげた。
ジーパンを穿いていた俺に対してハヤトはスウェットのズボンを穿いていたため、手の動きやすさで言うと俺の方が断然有利だった。
ハヤトはおかしそうに笑い、俺が与える刺激に対して反応し固くしていった。
トモ、アキナ、ユキは囃したてるように俺たちに向かって声をかけてくる。
皆酒が完全にまわってしまっているのか、止めようとする者は誰1人としていなかった。
そのせいか俺も周りの声や動きが気にならなくなり、ただただハヤトのモノを高めようと動きを激しくしていく。
途中、旅館の者が食べ物を届けに来たのか3人のうちの1人が立ちあがって入口の方へと歩いていくが、俺は視界の端にそれをとらえる程度でしかそのことを認識していなかった。
「ははっ、やば...っ、渉君、本当にテクニシャン」
「褒めても、何も出ないっすよ」
「あっ、その顔...いいね、」
「は?...え、んむっ...ん、ん゛んっ」
「わーお、ハヤト大胆!アキナが見たら発狂ものだな」
突然近づいてきたかと思えば、ハヤトは唇を押しつけ驚く俺の隙をついて口腔に舌を入れてきた。
深い、濃厚なキスに周りからは歓声のような声が上がる。
トモも、もっとやれー、などと場を盛り上げる。
熱い舌が口腔で動き回り、舌を強く吸われる。酒のせいか俺もまぁいいか、なんて思い再び悪ノリして舌を絡ませていく。
そして飲み込みきれなくなった唾液が口の端をつたった時...―――
「 何してるの、渉 」
聞こえた冷たい声と同時に腕を掴まれ引っ張り上げられた。そのことによって男のモノを握る熱い感触と男の舌が離される。
「あ...兄、貴...っ、なんでここに...」
「ちょっと困ります...って、え?お兄さん?」
入口の方から戻ってきたアキナは俺の言葉を聞いて驚く。
それもそうだろう。俺と兄貴は全く顔が似ていないから。父親似の彫りの深い顔立ちの俺と、母親似の女顔な顔立ちの兄貴。まさか兄弟だとは思わないだろう。
「探したよ....こんな所で他の男に触って...」
無表情な兄貴はよほど怒っているのだろう、他人がいるのに猫を被った姿は見せず、低い声音のまま話しかけてきた。
「帰ったら、お仕置きが必要みたいだね」そう俺の耳元で囁く兄貴。
そして周りの人間には目もくれず、俺の腕を引っ張っていく。
俺はというと、驚きを隠せず動揺し、一気に酔いもさめてしまった。
― 一体どうやって俺を見つけたんだ。部屋の中にいれば見つからないと思ったのに、
「僕から逃げるなんて許さないよ」
最後に聞こえたのは兄貴のその言葉。最後に見たのは驚き、固まる4人の姿だった。
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