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第39話

 「ぁあ...っ、んん...ッ、」  抉るように強く舌で刺激してきては、優しくなぞるように舌の先端で弄られる。つい先日、そこを使った性行為をしてしまっていたために、ピリリとした痛みの他にも甘い快感が腰に駆け巡る。中がひくつけば、二葉の舌はずるり、と中に入り唾液を流しながら抜き差しをし始めた。  ― いや、だ..嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ...ッ!!  何も考えることができず、ただただ激しい拒絶の声ばかりが頭に響き、舐められているそこへ感覚が集中する。  中の襞は蠢き、その熱い舌で擦られればもっと、というばかりに意思に反して奥へ奥へと舌を誘導する。  「...あっ、はっ...ぁ、う゛、」  ぴちゃぴちゃと水音が響き、耳からも犯される。  ついには舌の他にも指を入れられたのか、先程よりも穴を広げられ奥深くを擦られた。  徐々に頭の中は真っ白になり、冷静な判断ができなくなる。恐怖と快感で思考は停止し、浅い呼吸が繰り返された。  「...ッ!!」  「絶対に...許さない。穂波は僕だけのものだ...ッ、」  「いや...だっ、やめ...やめろ...ッ!!あ゛ああ゛っ、うあああぁぁッ!!」  だがしかし、尻の穴に熱く固いものが触れた時、激しいほどの“拒絶”の感情が一気に真っ白だった頭の中を埋め尽くした。  そのせいか、いつもの態度からは窺い見ることがないほどの叫び声が穂波の口から発せられる。  二葉のことを蹴りあげようと足に力を入れるが、膝裏を掴まれM字に広げられたそこは自由が利かない。  ぐッ、と少しずつ力を加えられ、中に入ってこようとする熱い性器に、堪らず穂波は無駄だとわかりながらも暴れ、何度も肩や頭部をフローリングの床にぶつけた。  「いやだああぁぁぁッ!!!」  「...ッ、ぁ...きつ...ッ、」  抵抗も虚しくカリの部分をうめこまれ、休む間もなく尻たぶに二葉の腰が触れ合うほど奥に突き挿れられた。  その時、ちょうど前立腺を強く擦られ、心と反して下半身は反応を見せかける。そんな自分にも嫌悪を感じた。  自分よりも幼く、体格華奢で、女のような目の前の人間に犯されるというこの現実は受け入れ難く、考えたこともない出来事だった。  心のそこから嫌悪し、恐怖する存在に女のように扱われる。激しい吐き気が催され、息が詰まった。  「他の奴のことなんか見ないように、今度はもっとちゃんと支配してあげるからね?...僕だけを見て、僕だけを考えるように、さ」  頬を上気させ、恍惚とした笑みを浮かべる二葉は、そう呟きそして激しく嫌がる穂波を無視して、熱いその中で性器を律動させ始めた。  部屋に響くのは、穂波の叫び声と肉が肉を打つ乾いた音。  重なり、一定のリズムで動くその2つの影を、隠されている無機質な機械はただただ何も言わずに映し続けた。

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