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第30話

 「ぅ...く、」  ベッドに腰掛け春臣は自身の性器を必死に扱いていた。ズボンと下着は足首まで下ろされカメラの前で痴態を晒している。  全ては俳優を続けるため、そして京太に失望されないようにするためだ。  しかしこの緊張感の中、春臣のものが反応するはずもなく、どんなに扱いて刺激を与えても無駄だった。  萎えたものを扱き続けるその姿はどんなに滑稽なものだろうかと、焦りと羞恥心ばかりが募っていく。  「しょうがないなぁ、それじゃあ特別にこれを見せてあげる」  「...ぁ、なんで、なんでお前がそれを、」  「ほーら、懐かしいでしょ。春臣も本当好き者なんだから」  どこから出したのか、春臣を撮っているスマホとは別のスマホを出した千晶はある動画を再生して見せてきた。  そこに映っていたのは...  『ぅあっ、あ、はる...おみ、くんっ』  中学の頃のまだ幼さの残る誠太と  『エロい顔するようになったね、誠太も』  顔は見えずとも体や声でわかる自身の姿。  「これ、誠太からもらったの。最終手段にって思ってたけど...本当親友のこんな動画を見せられる俺の身にもなってよね」  春臣と幼い誠太が激しく絡み合うハメ撮りの動画。それは春臣が遊び感覚で撮っていたものだった。  しかし、それもデータがたくさんあると後が面倒くさいと一回のみだけだったのに加え、すぐに自分の携帯から削除したはずのものだ。  どうして誠太がその動画を持っているのか。  「はははっ!すごく不思議そうな顔してる。春臣も馬鹿だね。誠太だってただのいい子ちゃんじゃなかったってこと。あんたの事が知りたいからって携帯盗み見る事なんて日常茶飯事。だからあんたの隙をついてデータのコピーとることなんて簡単だったんだよ」  「そん、な...こんなの、見る人によってはすぐに俺だってわかる、こんなのが流出したら...」  「ただの玩具だど思って舐めてるからだよ」  そう言う千晶の顔に笑みはなく、冷え冷えとしていた。  それに対して自分の将来にゾッとする春臣であったが...  「あぁ、やっぱり...体は正直だね」  「こ、これは、ちが...っ、」  先程まで萎えて使いものにならなかった性器はその動画一つで脈動し徐々に硬く勃ち上がってきていた。  『あっ、あぁうっ、ひ、ぃ...あっ、』  力なく開いた唇の端から涎を垂らし、頬を赤く染める誠太の顔と結合部の生々しい抽挿が映し出される。  「触ってもないのにあっという間に大きくなったね。ほら、先端から溢れてきてるよ。興奮してるんでしょ、扱きなよ」  「俺は、おれ、は...っ、」  春臣の頭の中はある一つの欲望で埋め尽くされていく。  右手に握るものは熱く、少し触れているだけでも気持ちがいいほどに敏感になっていた。  『はる、おみくん、もっと、もっと激しく、ぅあっ、ああっ、ひぃ、あ、ああっ』  激しくなる水音と喘ぎ声。パンパンと腰を打つ音がやけに大きく聞こえた。  細い腰はいやらしくしなり、乳首は散々弄られたのか赤く色づいている。  その全てが鮮明でまるで今しがた犯しているような...  「ん、ぅ...はっ、は、ぁっ、」  気がつけば右手は激しく自身の性器を扱いていた。そこはすでに先走りを溢れさせてくちゅくちゅと水音が鳴り始めている。  動画を見て興奮して扱いているのも、それを撮られているのも、理性的に物事を考えることなどできなくなっていた。  強まる快感、無我夢中で痛いほどに性器を扱いては亀頭部分を親指で擦りつけたりと興奮を煽っていく。  『あああっ、イク、イッちゃ、う、あ、あ...っ、』  そして動画の中で誠太は腰を痙攣させて顔まで精子を飛ばし---  「ぅあ...っ、」  ほぼ同時に春臣も自身の掌の中に熱い精子を迸らせた。  そうして荒く乱れる息。  急速に冷静になっていく頭。  戻ってくる焦り。 「少年好きの変態」  降りかかるのは嫌悪と侮蔑を込めた千晶の一言だった。

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