34 / 234
10.Prisoner ※
柊生の匂いが充ちていく車の中で、柊生の隣で
柊生の言った言葉を繰り返し思い出す。
一夜の過ちだと、済ませるつもりはないと。
そういう意味だったのだろうか?
自分たちは これからどんな関係になろうと
しているんだろうか?
流れていく景色もどこか非現実的で
この車の中だけ別世界に切り取られたような
そんな頭に靄がかかったような感覚。
これからの事も
今、目の前の事も
考えるのはやめて
ただ流されよう。
1度 堰を切ったら もう止められない。
佐倉さんが欲しいんだ。
ともだちにシェアしよう!