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第4話◎次の標的(ターゲット)は誰だ?

今日は月曜日。 学校に着いて教室に入ると 皆(染野以外)が俺見た。 既に皆知っているのだろう。 染野に「お疲れさま」と 言われたが別に嬉しくない。 そして、皆には 聞こえないような 小さな声で 「次は誰にするかな」と囁いた。 その後、慎が入ってきた。 「おはよう、貴也 一週間、お疲れさま」 慎に言われると嬉しい。 「おはよう ありがとうな」 俺たちは席がわりと近い。 「次は誰だと思う?」 今週は誰がターゲットに されるんだろうな…… 「わからないよ」 幼なじみの慎でもわからないか。 「だよな、染野も 悩んでたみたいたしな」 あの囁きは 決まってないからこそだ。 「何で知ってるの?」 「さっき「 次は誰にするかな 」 って言ってからけど 放課後までには決めるんだろうけどな。 慎は参加しないだろう?」 聞くまでもないけどな。 「うん、だって 百万円なんて大金 貰っても使い道ないもん。 貴也だって参加しないでしょ?」 当たり前だ。 「勿論」 こんなくだらないGAMEに 参加する気はさらさらない。 とりあえず、俺に平和が 戻ってきたから 他の奴らのことは気にしない。 「やっと、静な 学校生活が送れる」 「そぉだね。 今日は教官室行く?」 先週はクラスの奴らから 逃げるために行っていた 教官室だが今週は その必用がない。 「慎が行きたいなら行くけど」 「じゃぁ、行く❢❢」 この時は、まさか 的木先生と雪村が 俺たちの恋人に なるなんて想像もしてなかった。 「わかった、昼休みに行こう」 染野を見るとターゲットが 決まったらしい。 皆も本人も 気付いていないみたいだ。 慎には後で教えてやろう。 **昼休み** 此処は国語教官室。 弁当を持って二人で来た。 「いらっしゃい」 的木先生がニコニコと 迎え入れてくれたのに対し 雪村は「また来たのか」と 呆れた顔をした。 「此処でお弁当食べていいですか?」 とりあえず訊いてみる。 「訊くまでもなく、 此処で食べる気満々じゃないか」 「雪村には訊いてない」 ばっさりと俺が言った。 「俺はいいよ」 やった❢❢ 内心大喜びの俺。 「ありがとうございます」 俺たちは教官室の ソファーに座って弁当を食べ始めた。 「ねぇ貴也、聡君、 次のターゲット決まったのかな?」 あぁ、すっかり忘れてた。 「決まったみたいだぜ」 「えっ、誰?」 そりゃ気になるよな。 「鈴川」 「何で知ってるの?」 教室で一人で頷いてたからな。 「さっき、 納得したみたいに頷いてたから」 「そっか、鈴川君 逃げ切れるかな?」 どおかな…… 「あいつの運次第だろう」 俺たちの話しが気になったのか、 的木先生が「何の話?」と訊いてきた。 「え~とですね、 今、うちのクラスで GAMEをしてるんです」 あんまり、話したくないが まぁ、仕方ないよな。 「GAME?」 不思議そうに 的木先生が首を傾げた。 「先週から始まったんですけど クラスから一人ターゲットを決めて そいつが逃げ切れば勝ち、 捕まれば負けっていうGAMEで、 ターゲットを捕まえた奴は 百万円が手に入るんですよ」 「それはまた 本格的だね。 誰が始めたの?」 「染野ですよ」 まったく、面倒な GAMEを始めてくれたぜ。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢ 「先週から始まったって 言ってたけどターゲットは誰だったの?」 「俺です」 その言葉で何となくわかったみたいだ。 「もしかして、先週 毎時間来てたのは クラスメイトから逃げるためだったの?」 察しがいいな。 「はい。 先週は本当に疲れました」 「それで?」 結果が気になるのか。 「俺が勝ちましたよ。 そんで、今週っていうか 今日の放課後からは鈴川が ターゲットにされるみたいです」 「因みに、そこに居る 雪村は何も言いませんからね」 ジト目で雪村を見た。 「静、 そぉいうことは止めろよな」 的木先生は雪村と仲いいのか? 「亮には関係ないだろう」 「あの、二人は仲いいんですか?」 俺の心の声を慎が口に出した。 「静とは幼なじみなんだよ」 へぇ~ それは初耳だ。 「雪村と的木先生が 幼なじみだなんて 初めて知りました」 「小学校からずっと一緒だ」 応えたのは意外にも雪村だった。 「初めて会ったのは 六歳の時だから、 もう二十年だね」 早いなぁと的木先生が言った。 「腐れ縁ってやつさ。 このことは他の奴らには秘密だぞ」 「わかってるよ」 言われなくたって言わないさ。 「それで、話しを戻すけど、 静、止めさせろよ」 染野のGAMEな。 「言ったところで無駄だから 止めなかったんだよ」 雪村はこういう奴だよな。 「その最初から諦めてる感じは 昔から変わらないよな……」 はぁ~と的木先生が 眉を八の字にしてため息を吐いた。 「雪村先生は昔から こんな感じなんですか?」 慎の質問に的木先生は 雪村を指して言った。 「それはもう、 無気力でやる気のない奴だったよ」 「いらないこと言うな」 ムスッとして雪村が すかさずつっこんだ。 「別にいいじゃないか」 一見、合わなさそうな この二人が幼なじみかぁ~ 「今度、二人の話 聞かせてくださね」 「しょうがねぇなぁ」 慎がそう言うと 応えたのはまたしても雪村だった。 「今度の土曜、空けとけよ。 亮もいいだろう?」 「勿論、 二人共、空けといてね」 休日に的木先生に会える!? よっしゃ❢❢ 「「はい」」 内心ウキウキの俺。 「それで、今週の ターゲットは誰だって?」 「鈴川だって」 態と聞き返したな。 「そりゃ災難だったな。 あいつ走るの苦手だろう」 これっぽっちも そんな事思ってないだろう。 目が笑ってるぜ。 「確かにな…… 今週は染野の勝ちかな」 鈴川は体育が苦手で とくに走るのはダメだ。 せめて、二日くらいは 逃げてほしいものだ。 「鈴川君大丈夫かな? 言い方が悪いけど 僕より遅いよね」 いえてるな。 「さぁ、どぉだかな」 こいつは本当に教師か? 「雪村、仮にも教師なんだから 逃げきってほしいくらいは言えよな」 「自分に正直なだけだ」 とことんマイペースだなぁ。 「俺、何で雪村が 教師になったのかわからない」 「僕も……」 今まで黙ってた慎が言った。 プッ、慎にまで言われてるよ(笑) よく教師になったな。 「 俺が思うには 明日の朝には 捕まってるんじゃないか」 「僕は今日の帰りには 捕まってる気がする」 まぁ、運動部の奴らに 追いかけられたらアウトだろうな。 「笹山、お前何気に酷いな」 慎の言いたいことは わかるけどな。 そんな慎の言葉に 教官室に笑い声が響いた。 「お前ら、さっさと 弁当食わないと時間なくなるぞ」 話しててすっかり 忘れてたが弁当の途中だった。 「ヤバっ」 「貴也、早く食べちゃおう」 俺たちは残りの 弁当を急いで食べた。 「じゃぁ、俺たち 教室に戻りますね」 名残惜しが仕方ない。 「またね」 教官室を出て教室に戻った。

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