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第6話◎夏休みとお泊まりと宿題

慎と二人で亮の家に行った あの日から気付けば半年が過ぎていて もうすぐ夏休みだ。 そして、例のGAMEも終盤に…… 残りは五人。 夏休み前には終わるだろう。 クラスメイト四十二人中何人が 逃げ切れたかはこのGAMEが 総て終わってからの楽しみだ。 後二週間で夏休みになるが 残りの五人は逃げ切れるだろうか? ルールを一つ追加すると、 部活中はの追いかけっこは中止とされる。 五人は幸い部活に入っているから その分、時間稼ぎが可能だ。 時は経ち、終業式。 因みに、五人は逃げ切った。 染野の悔しそうな 表情(かお)には笑えた。 GAMEの結果は亮の家で ゆっくり話すことになった。 今日は慎も一緒に 亮の家に泊まれることになった♬♡ 「明日から夏休みだな」 体育館に向かいながら 慎に話かける。 「うん❢❢ 色々楽しみだね」 宿題さえなけりゃな(苦笑) 「校長先の話、長いから寝ちまいそぉだ」 「そしたら僕が起こしてあげるね」 慎が起こしてくれるのか♬ 「じゃぁ、そん時はよろしく」 多分、というか絶対に寝る自信がある。 「オッケー」 慎に頼ることにしよう。 ふぁ〜 欠伸が止まらない。 in体育館 「え〜明日から夏休みに入るわけだが くれぐれも羽目をはずさないように」 その後もつらつらと長い話が続き やっぱり寝てしまい、慎に 起こされた時には 終業式は終わるとこだった。 教室に戻ると慎がもぉ❢❢ と言いながら 体当たりしてきた。 「ぉゎっ❢❢」 いきなり体当たり されたから転けそうになった(苦笑) 「何すんだよ慎」 「だって、何回 起こしても起きないんだもん❢❢」 ぷぅっと頬を膨らませた。 全然、怒ってるように見えない。 「悪かった」 「別に本気で怒ってるわけじゃないから」 すぐ、笑顔に戻った慎は 自分の席に戻って行った。 場所がか変わって此所は亮の家。 俺達は朝、家を出る時に お泊まりセットを持って学校へ行った。 一旦帰るなんて時間の無駄だし 一分一秒だって亮の傍にいたい////// こんなこと、恥ずかしいから 面と向かって言えないけど…… そぉそぉ、両親に恋人が (敢えて彼氏とは言わなかった) できたと言ったら大喜びしていた。 でも、相手が“男”だって知ったら 怒るだろうか? 別れろって言うだろうか? 母さんはともかく、 父さんはなぁ…… 慎や雪村の前では話せないから 二人っきりの時に相談しよう。 「さてと、今日は何作ろうか」 決めてなかったらしい。 学校では王子様的存在でも プライベートでは抜けてるとこがある(苦笑) こんなことを知っているのが 俺と慎だけだと思うと優越感を感じる。 「俺が作りたいんだけどいいか?」 亮が連れてってくれた あの店のカルボナーラが美味かったから 一度作ってみたかったんだよな。 上手くできるかはわからないけど。 「貴也が作ってくれるんだ♡*。 それで何作るの?」 カルボナーラと言うと 洋食は得意だもんね♬♡と 亮に言われたが今回は初めてだからな…… 「材料あるか?」 「勿論」 流石亮の家だな(笑) 「先に言っとくが何時も 作ってるやつじゃないから 上手くできるかわからないが 作らせてくれ」 「俺も手伝うよ」 助かるぜ。 「ありがとうな」 三十分後…… 「できた❢❢」 果たしてあの店の味を 再現できてるだろうか…… 「亮、味見してみてくれ」 小さな皿に取り分けて渡した。 「どぉだ?」 一人で食べる時は 失敗してもいいんだけど 他人に食べてもらう時は そうもいかない(苦笑) 「美味しい」 よかった。 「あれ? でもこの味、何処かで……」 「亮が連れてってくれた あの店のカルボナーラを再現してみたんだけど」 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 「貴也、凄いね❢❢ 二回食べただけで再現できるなんて」 上手くできてよかった。 「洋食、好きだからな……」 まぁ、理由はそれだけじゃないけどな(苦笑) 「冷めない内に 二人のところへ持って行こう」 食器棚から皿を出し、盛り付けて 四人分のカルボナーラを持って リビングへ向かった。 「今日は俺が作ったんだ」 自信満々に言ってみた(笑) 「美味しそうだね♬♡ それに、貴也のご飯久しぶりだ♡*。」 確かに久しぶりだな(笑) 最近、慎の家に行ってなかったな…… 亮の隣に座って俺達は食べ始めた。 皆でいただきますと手を合わせた。 「美味いな」 一口食べて雪村が言い さっきの亮と同じことを言った。 「ん? この味、何処かで……」 そりゃそうだ(笑) あの店のカルボナーラを 再現したつもりなんだから。 「静も気付かないんだ(笑)」 亮も気付かなかったもんな。 「二人が連れてってくれたあの店」 俺がこたえると雪村が納得した。 「俺も最初、気付かなかったんだよ」 「やるな、春日井」 雪村に褒められた。 「サンキュー//////」 とりあえず、礼を言っといた。 「そぉだ、例のGAME 夏休み前に終わったな」 残りの五人が部活に 入っててよかったよな(苦笑) 「結果はどぉなったの?」 亮は直接関わってなくても 早く結果が知りたいらしい。 「慎と染野本人と俺を除いた 三十九人中十四人って結果になった」 夏休みまで 追いかけ回されるのは御免だからな 終業式前に終わってよかった。 安心して夏休みがおくれる。 「これで聡君も少しは大人しくなるかな?」 少なくとも 夏休み中は 何もやらかさないだろう。 「二学期は平和だといいね」 ぁはは( ̄∀ ̄;) 「そぉだな」 お泊まり一日目は 宿題なんて忘れて四人で沢山話した。 ついでに言えば、雪村も泊まるらしい。 「なぁ、雪村と慎は好き人いないのか?」 話題が尽きてかけてきたから 二人に恋バナをふってみた。 「そぉ言えば最近、 静の恋バナ聞いてないな」 亮も便乗してきた。 ニヤニヤしながら雪村に詰め寄っていく。 「今はいない」 亮が詰め寄るごとに雪村は下がって行く。 「嘘だね。 静が隠してるだけで 俺は知ってるんだから」 その言葉に雪村が焦り出した。 俺にはさっぱりわからない。 「なぁ、雪村の好きな人って誰?」 誰が好きなのだろうか? 「貴也、気付いてないの?」 質問を質問で返された。 「わかんないから訊いてんじゃん」 呆れながら言うと、鈍感と言われた。 「見てればわかると思うんだけどな」 どうやら、教えてくれる気はないらしい。 まぁいいか…… 結局、雪村は言わなかった。 しかし、気付いて次の日の夜に 明らかになることをまだ知らない。 お泊まり二日目(夏休み一日目) 俺達は何もせずダラダラと過ごしていた。 「あ゛ち゛ぃ〜」 七月半ばの気温は三十度を越えている。 「言うなよ、余計暑くなるだろう❢❢」 雪村の言い分はわかるが暑いものは暑い。 「僕も暑いです」 慎も同じみたいだ。 「笹山、お前まで言うなよ」 三人でくだらない言い合いをしていると 亮が麦茶を乗せたお盆を持って キッチンから戻って来た。 「ちょうど、 お茶が飲みたかったんだよ」 ナイスタイミング❢❢ 「それはよかった」 あれは夕方の話で今は夕食後…… 話は雪村の好きな人。 「はぁ~わぁたよ、言えばいいんだろう」 呆れたような諦めたような ため息をついてから言った。 「俺が好きなのは…… 笹山……お前だよ//////」 はぁ~!? マジか(驚) 「僕ですか……?」 告られた本人も吃驚している。 「やっと言ったな」 まさか、雪村の好きな人が 慎だったとは驚きだ。 「おい慎、どうすんだよ?」 何時までも放心している場合じゃない。 慎の方を見ると顔が真っ赤だった。 こりゃ、脈ありかもな(笑) 「雪村先生」 答えが出たんだな。 「僕なんかでいいんでしょうか」 やっぱりな(ニヤリ) 「笹山、それは……」 雪村の緊張したところなんて 初めて見たな。 「僕なんかでよければ、 宜しくお願いします」 慎がニコッと笑った。

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