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「笹山、今日は此処じゃなくて うちに来ないか?」 雪村は自分の家に泊めたいわけか。 「慎はどうしたい?」 あくまでも、決めるのは慎だ。 俺や亮が決めることじゃない。 「僕は行きたい……」 これで決まりだな。 「何かあったら電話でもメールでもしてくれ」 雪村ん家ってのも少し興味があるから 次は連れてってもらおう♬ 秘かに心に決めた。 俺は亮ん家に、慎は雪村ん家に。 二人が帰り、珍しく 亮から抱き付いて耳元で囁いた。 「久々にシよう」 その言葉にまで真っ赤になったが 嫌なわけじゃないから 黙って頷いた。 「じゃぁ、寝室に行こう」 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ in寝室 「最初に謝っとく。 優しくできないからごめん……」 恋人なんだから気にしなくて いいっつうの(苦笑) 「別にいいよ」 優しくされたら 物足りなくなる気がする。 「亮、早く」 久々だからか身体が疼く。 待ちきれず自ら上になることにした。 所謂、騎乗位というやつだ。 「ぁ❢❢ こら、貴也」 ぁっんん…… 慣らさず挿れたから少しキツい。 「全部挿いった」 そう言うと亮が「全くもう」と 呆れた声を出した。 「大丈夫かい?」 無理矢理挿れたから 心配してるみたいだ。 「大丈夫」 **数十分後** 最初は何時も通りだったが 途中からは宣言した通り 激しかった(苦笑) それはもう、 足腰が立たなくなるくらいに。 「亮、いくら久々で 明日が休みだからってヤリ過ぎだって」 煽ったのは俺だけどさ…… 明日はベッドから出られないな。 慎と雪村はどうしたかな? 「ごめん、貴也不足で 中々離してあげらんなかった」 慎達のことを 考えていたら突然言われた。 「しょうがないから今日は許す」 俺も亮不足だったからな。 「ありがとう」 次の日、やっぱり ベッドから出られなかった。 「亮のバカ」 本気で怒ってるわけじゃないけど 言わずにはいられない。 「ごめん」 笑いながら謝る 亮に背を向けて 布団を被った。 「貴也」 呼んでも返事してやんないんたから。 「朝ごはん作ってくるから待ってて」 それだけ言って寝室を 出て行った。 ドアが閉まる音を聞き 仰向けになった。 はぁ~ 動けないのは困るけど 満たされた感じがして嬉しい。 調子に乗りそうだから言わないけど(笑) 眠いわけじゃないが 目を閉じていたら 寝室のドアが開いた。 「ご飯、できたよ」 動けない俺を気遣ったのか 朝ごはんをトレイに乗せて持って来た。 「ごめん、久々だったから 加減できなかった……」 ぷっ(笑) そんなに謝んなくても 大丈夫なんだけどな。 「別に怒ってねぇよ」 この幸せな時間が続けばいいなと思った。 明後日から学校だと思うとため息が出る。 「ため息吐くと、幸せが逃げるよ」 わかっているがファン達に 追い回されるのは 思いの外疲れる。 「学校に行くのがダルいと思っただけ」 「なんか、ごめんね」 別に亮達が悪いわけじゃない。 ダルいとはいえ学校に 行かないわけにはいかない。 冬休みはまだまだ先だからな。 そういえば、慎と雪村は 今頃、何してるかな? 電話でもしてみるか。 手探りで近くに 置いといた携帯を取り 慎に電話してみた。 「もしもし」 眠そうな声だな。 「慎、はよ」 腰は痛いが他は元気だ。 「貴也? おはよう」 「眠そうだな」 現在の時刻は午前十時。 休みだからゆっくり寝てたのか? それとも、雪村が慎に手を出したか? 後者なら色々聞き出さなきゃな(ニヤリ) 「もし、暇だったらこっちに来ないか?」 ずっとベッドにいたからか とりあえず、寝室を 出られるくらいにはなった。 「ん~ しずに訊いてからでいい?」 しず? あっ❢❢ 雪村のことか❢❢ いつの間に? 「名前呼びとはやるな」 確か昨日、俺達といる時は まだ苗字で呼んでたはず。 「そ、それは」 慌ててる慎、かわいいな(プッ) 「どうしたの?」 俺は不安と寂しさを隠して笑った。 「何でもない」 只でさえファンクラブのことで 心配をかけているのに 寂しいなんて言えない。 「そう? 何かあったら言ってね」 亮の科白に泣きそうになった。 ごめんな…… 俺はたった今 自分の気持ちを隠したどころだ。 「わかった」 心の中で謝った。 悟られないようにもう一度笑った。 大丈夫、明後日からも頑張れる。 色々考えていたら 亮の携帯が鳴った。 「静からだね」 雪村? 「はいよ、どうした?」 来られなくなったのか? 「渋滞? わかった、着いたら電話して」 なんだ、渋滞にひっかかってるだけか。 三十分後、再び亮の携帯が鳴った。 雪村達が着いたみたいだ。 「貴也、おはよう」 俺に抱き付こうとした 慎を雪村が止めた。 「いくら幼馴染みだからって 春日井に抱き付こうとするなよ、慎」 おぉ? 雪村が俺に嫉妬? しかも、名前で呼んだよな。 一晩で進展したな(ニヤニヤ) 「静、笹山君に手出したの?」 慎は真っ赤だな。 「へぇ~ 静は優しくしてくれた?」 顔をますます真っ赤に しながら頷いた。 「よかったな」 二人をからかいなが 亮と俺はキッチンでお茶を淹れている。 夕方、亮に駅まで送ってもらった。 大丈夫、学校で話せなくても また家に来ればいい。 明日から頑張れる❢❢ そう思っていたのに あんなことが起きるなんて 知る由もなかった…… ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 俺が亮ん家に 慎が雪村ん家に 泊まった二ヶ月後、 事件は起きた…… 十二月になりめっきり 寒くなってきたある日に それは起こった。 俺と慎を 狙っていたみたいで 学校帰りに拐われた。 最悪だ(怒) 連れて来られたのは 何処かの倉庫らしき場所。 主犯の検討はついている。 「あの時以来ね」 やっぱりな。 俺のことをひっぱたいた三年。 俺達を連れて来た奴は知らないが 他はうちの学校の生徒だ。 しかも、三人は三年ときた…… 「お久しぶりでーす」 わざと棒読みで答えた。 「要件は一つ 二人の連絡先を 大人しく教えなさい」 教えるわけねぇだろう❢❢ 「無理」 二人に連絡先を 教えてもらった時に 誰にも教えないと約束した。 「そう、じゃぁ 犯(や)られれば吐くかしら?」 一人の男が俺に近付いて来た。 「好きに犯(や)っていいわ」 バカだなぁ(ニヤリ) 犯(や)られようが 殴られようが 刺されようが教えねぇよ❢❢ 携帯はロックを かけているから大丈夫だろう。 「貴也❢❢」 慎が俺を呼んだ。 「あんたはお友達が 犯(や)られる ところを見てなよ」 唯一同学年であろう女が言った。 こいつらバカだろう。 「大丈夫だ」 心配そうな表情(かお)をした 慎に微笑んだ。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 「あんたゲイ?」 別室に連れて来られた 俺はこの男と二人きりだ。 「そうだ」 随分すんなり答えたな…… 俺はこの男を知っている。 名前は石浜覚。 バスケ部の主将だったはずだ。 〔ゲイ〕なのは否定しない。 俺達の恋人も〔男〕だからな。 そして、思ったのはこいつ、 俺を犯す気はないんじゃないかと。 「石浜先輩、 バスケ部の練習はいいんですか?」 主将がこんなところで 油売ってていいんだろうか? 俺の言葉に焦りを見せた(ニヤリ) もうすぐ、冬の大会があったはずだ。 バカな女のバカなことに 付き合ってる場合じゃないだろう。 「今日、部員さん達に 嘘を吐いて此処に来たんですよね?」 顔を歪めた。 図星だな。 「このことを 部員さん達に バラされたくなければ 俺達に協力して下さい。 それとも、 本当に俺を犯します?」 その瞬間、犯罪者になり バスケ部は出場停止になるだろう。 証拠? そんなものは それこそどうにでもなる。 「高校最後の大会に 出られなくなりますよ?」 主将が問題を起こせば バスケ部は当然試合に出られない。 欲に負けて出場停止になるか 俺達を逃がす手助けをして 試合に出場するかは 本人次第だ。 「わかった、 お前達を逃がす手助けをしよう」 懸命な判断だ。 「名前を聞いていなかったな」 俺が一方的に知っているだけだからな。 「春日井貴也ですよ石浜先輩」 ついでに慎の名前も告げといた。 別室を二人で出た。 「貴也❢❢ 大丈夫?」 何もされていないからな。 そうそう、別室を出る前 雪村に電話しておいた。 「大丈夫だ。 慎は何もされていないか?」 見た目は大丈夫そうだ。 「うん、大丈夫」 よかった…… 慎に何かあったら 俺が雪村に殺(や)られちまう(笑) 「覚、何で!?」 喚いたのは当然 俺をひっぱたいた張本人。 計画では 石浜先輩に犯(や)られた俺に 二人の連絡先を 吐かせるつもりだったはず。 「悪いな、大切なことを 思い出させてくれた春日井の 味方になることにした。 幸樹、笹山を離せ」 慎を捕まえている 男をそう呼んだ。 “幸樹”と呼ばれた男は 大人しく慎を離した。 石浜先輩は俺達を 連れて出口に向かった。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 外に出ると雪村と亮が居た。 「慎❢❢」 雪村は慎を認めると 窒息しそうな 勢いで抱き締めた(苦笑) こんな雪村は初めて見たな。 「貴也は大丈夫?」 亮は優しく抱き締めてくれた。 「大丈夫だ」 石浜先輩に雪村が 乗って行くかと訊いたが 首を横に振った。 「春日井、笹山 色々と悪かっな」 別に石浜先輩が謝ることはない。 「友人の頼みを 断れなかっただけでしょうから 先輩が謝る必要はありません」 主犯はあの女だからな。 「先生達もすみませんでした」 教師二人に頭を下げて 倉庫の方へと戻って行った。 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 運転は雪村がしている。 俺達をマンションへ送り、 慎を連れて帰った。 「貴也、本当に何もされてない?」 心配性だなぁな。 「なんもされてないさ。 確かめてみるか?」 少し挑発してみた。 「隅々まで確かめてあげるよ」 亮が口角だけ上げて笑った。 寝室に連れて行かれ 全て剥ぎ取られる。 「ぁっ❢❢」 全く…… 「亮の気が済むまで抱けよ」 明日が学校だとかどうでもよかった。 二ヶ月振りに感じる亮の温もり。 **翌日** 腰が痛い…… 完璧亮のせいだ。 本当にあの性欲と体力は 何処からくるんだか(苦笑) 慎はどうしただろう? 雪村が無茶してなきゃいいが(笑) ああ、でも あのまま帰したかもな。 意外にも亮より真面目だしな。 「貴也」 教室に着くと慎が俺を呼んだ。 雪村に言われたから 抱き付いて来なくなったな(笑) 俺にまで嫉妬とか笑えるよな。 「はよ」 ¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢。゜¢ 昼休み、俺達は教官室に来ていた。 すっかり居座っている。 数時間前のことなんて 忘れたように教師モードだ。 期末テストも終わり 明日から冬休みだ。 やっと、四人で ゆっくりできると 思っていたのに まさか、あんなことに なるなんて知る由もなかった……

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