じゃらりと鉄と鉄が擦れる音が響いてアランは目を覚ました。正確には気を失っていた。 　体のあちこちはべったりした汗と鼻につく臭い。全身が怠さで体が重かった。一体アレからどれくらい経っただろうか……。意識は朦朧として、気絶していたにも関わらず全身の身体が熱くて、肩から息切れを起こし出す。この感覚は3度目だったけど、今までで1番キツイものだと……既に自分の身体で分かりつくした後だった。 　手足は鎖で繋がれ、吊るされていて身動きが取れない状態に陥っている。気絶から起きたアランに気づいた間近にいた男は、アランの下腹部に差し込まれた男の形をした玩具を握ると、更に奥へと押し込んだ。 「やっと起きたか、まだまだこれからだぜ、ほらほらぁ！」 「っ……ああっ！！」 　熱を持った体は自分の意思とは関係なく、体を大きく震わせ、玩具を抜き差しする度に快感で口から、嫌でも甘い声が出る。 　配慮のない相手は玩具で遊ぶかのように、自分の悦に浸りながら歪な笑みを浮かべては、アランの反応を楽しんでいた。 　気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。 　そう心では思ってるのに体は反して無理矢理与えられる快感に反応して、頭は朦朧としている。気持ちと体が合わない行為を幾度と続けられる今の状況はアランにとって地獄でしかなかった。 　それでも、弱音を吐いてしまえば終わってしまう。 　どんなに終わって欲しいと思っても、心が折れてしまえばガブリエルの思惑通りになり終わってしまう。 　こうなったのは、ガブリエルに捕まり城に戻った後だった。 　ガブリエルの執務室……ではなく、客室に放り込まれ、ガブリエルとその部下2人にされて、ベッドが端にちらつつかせたのは、わざとだろう。また同じ仕打ちを受けたくなければ言うこと聞けという圧を掛けてきていたんだと今では思う。 「さて、もう鬼ごっこは終わりだ。これで分かっただろ？逃げても無意味だと？」 　ガブリエルはその傲慢な笑みを浮かべていた。 　アランは、鼻で笑う。それに、ガブリエルはぴくりと反応して顔をしかめた。 「私は、別に言うことを聞くとは言ってないぞ」 　そのアランの言葉で、苛立ったのか顔の額に酷く皺を寄せて口を歪ませた。思い通りにいかない事が本当にダメらしい、ガブリエルは奥歯をギリギリと噛み締めたあと、指を鳴らした。 　側で控えていた側近の部下達がアランの方へ向かってくる。青ざめたい気持ちだ、その部下の顔は嫌でも覚えている。アラン自身に嫌な記憶の爪痕を残したの2人の顔を見ると嫌でも体が震える。 「バカな子どもだ。もういい、その顔と体さえあれば十分だ。お前ら壊してしまっていいぞ」 　その命令に、へいへいと怠そうに返事をしながら、顔は歪な笑みを浮かべていた。 　ガブリエルは、ふんと鼻を鳴らして部屋から出て行った。 　アランは、一瞬怯えされど弱気になってはいけないと睨んだ。大丈夫だ、トラウマだろうとヤツらがしてくるのは屈服させる為で、また逃げるチャンスを、うかがえばいい。そう己に言い聞かせる。 「やってみれるものならやってみろ！！私の意志はそんなに柔ではないぞ！！」 「……はは！手が震えてるのにえらい強気だな？頷けば楽なのにバカなガキだ。」 　部下の1人の方が、嘲笑うように声を上げて笑いアランに近づくと、髪を掴んで引っ張り上げ、顔を向かせた。 　アランは無理やり引っ張られ、痛みで小さく唸る。男の顔をが近づくとニタリと笑った。 「それとも、また同じ事されたくてワザと反感買う事やってるのかぁ？？」 「…っざけるな！！」 　アランは睨み返すが、相手は微塵にも効果はなくガブリエルな部下はアランの頭を掴んで床へと押しつけかた。 　乱暴に押しつけられたせいで、鈍く顔に痛みが走った。 　1人の男が、もう1人に声を掛ける。 　もう1人の男は、何かの小瓶みたいなのを取り出した。なんとなくアランは嫌な予感がして、体を動かして抵抗を心みる。だけど、相手は曲がりなりにも兵士で敵うわけがなく、抑えられるだけだった。 「この前は苦痛に歪む顔が良かったがよ」 　男はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら、アランの口を無理やり手でこじ開ける。そこにもう1人が持っていた小瓶の中身の液体をアランの口の中に全て流し込んだ。アランは無理矢理に何かを飲まされ気管に入りかけたせいか、ゲホゲホと咽せ返った。 　何を飲まされたかわからないがロクな物ではないのは確かだ。とアランは吐き出そうとすると、口を抑えられ、抱えられると客室にあったベッドへと放り投げられた。 　ベッドのキシム音がし、幸い痛みはない。 「……何を……」 　アランは直ぐに起き上がろうとすると、ぐらりと視界が揺れて力が抜けた。 　気づけば、アランの体が熱くなって段々と息が切れていく。ドクンドクンと身体中の血管が脈打っていくのがわかった。 　男2人はベッドに寄ってくると、ニタニタ相変わらず気持ち悪く笑っている。1人の男がアランを抑え、もう1人の男がアランの服を無造作に脱がしていくと、男の手がアランの肌に手を滑らした。 「んっ……」 　アランは、触られ場所にゾクリと体を震わした。反応した感覚にアランは困惑しながら奥歯を噛み締める。 　身体中が敏感になっていく、この感覚には覚えがあった。 「へ〜？いい反応するじゃねぇの？？」 「今回気持ちよーくなるお薬飲ませたからよ、俺達でたっぷり気持ちよくしてやるよ。それしか考えられるなくなるくらいになぁ」 「なっ……！？」 「いつまで正気を保ってられるか見ものだぜ」 　アランは慌てて必死に抵抗してもがくが、飲まされた薬のせいか、力が上手く入らなかった。どうやら、2人の男が言ってるのは事実らしく、体は無意識に火照り息が乱れていく。 　前にティムに盛られた後に聞いたが、媚薬と言うらしい薬と状態が良く似ている。ただ、違うとすれば妙に頭だけしっかりしているといか、前に飲まされたものは、思考すら欲求に耐えれなく感じていた。 　でも、この兵士達に飲まされた薬は、思考まで奪われたものじゃない……。 　だったらまだ耐えられる。と、思ったのが悪かったのかもしれない。 　アランを後ろから押さえていた男が、露わになった胸の突起を摘んだ。 「ひっ…」 　ゾクリと、アランの体が震えた。敏感になっているのか、男の指の腹で突起を撫でられ硬くなった乳首を今度は爪先でカリカリと軽く引っ掻く。 　それに、全身敏感になってる体は否応なしに反応してもがいた。 「っ……ん……やめっ」 「やめろって気持ち良さそうじゃねぇーかよ？胸触られただけでここは反応してるぜ？」 　向かいにいる男がアランのズボンを剥ぎ取ると、そこに既に熱を持ったアランのものがそびえ立っていた。こんな男たちに触られて気持ち良いはずがないと思いたいアランにとって、体が反応してる事実を直視するしかない。頭が冷静な分ショックで、違うとアランは首を横に振る。 　男はふーん、まぁいいけどなぁ。相変わらずニタニタと笑いながら、手をアランの尻目に滑らして小さな穴を見つけると、指を一本入れた。 「ひゃっ……やめ……」 「ここで直ぐに分からしてやるよ」 　男の指が動くと、アランの体はそれ反応してピクリと震わす。アランの頭は寒気を覚えるように恐怖に駆られていた。なのに、体は震える訳でもなく反応し男の指が入ればキュウキュウと締め付け、抜かれれば入り口はヒクヒクと物欲し気に反応する。 　心の体が別になってる事にゾクリとアランは頭の中で青ざめた。 「なんだぁ物欲しそうにするじゃねぇかよ？だったらくれてやる！」 　男の熱く硬くなったものが、アランの尻の入り口に当たる。それにヒクヒクと反応してる自分の体が心底嫌になった。薬のせいとはいえ、こんなあっさりと前に酷い事をしてきた男のものを受け入れようとしている体にゾッとした。 「やめっ……ひっ……ぁああああ」 　男のものが容赦なくアランの中へと沈ませた。アランの体はゾクゾクと快感が押し寄せると、ビクンと体を剃り返した。自分のそびえ立っていたものは、先漏れで先からトロリと液体が垂れている。 　自分の今の状態から目を逸らしたくて仕方なくて顔を背けようとすると、今度は後ろで抑えてる男が片方の胸の突起を弄りながら、アランの下腹部のものへと手を伸ばした。 「おっと、こっちも忘れんなよ」 　アランのを出で扱きながら、胸の突起を弄ぶ。 「んっ……やめっ……あっ……ひっ」 　なんの抵抗もできないアランは、男の手に体は喜ぶようにビクビクと反応して、声から我慢しきれずに喘いだ。 　男達は、楽しそうにアランの体で弄ぶ。アランのプライドをズタズタにされていくのが苦痛でしかなかった。 　男が腰を動かせば、アランの体は無意識に喜びをあげるそんな姿をこんな男達に晒してる事が悔しい。それでも体は快楽に流されてしまう。 　 「ほらほらぁ、もっと欲しって言ってんぜ！？」 「ひっ…やっ……ああっ……まっ」 　男は激しく腰を打ち付ける。後の男の扱く手も止められずに押し寄せる快感にアランは目がチカチカとしては、もう口からは悲鳴に似た喘ぎ声しか上げれなかった。 「っ…王子様がこんなヤラシイ体してるとはなぁ？はは、たっぷり中に出してやるから、喜びなぁ！」 「あっ…ああ……へ…や……ぁああああ！」 　男は腰を奥へと押しつて、中へ熱いものをどくどくと注いでは、アランの中へ溢さずに出し切るように何度も腰を押し付けた。 　アランは、気持ち悪いはずなのに身体はビクビクと反応して、己からは果てたのか液体が体の上に飛んで汚れている。そこで頭クラクラしてかアランは一度気を失った。 　それから、何度か相手をさせられそれでも何とか意識だけは持っていかれないように必死に耐え続けて……今は少し男達は趣向を変えたのか、鎖で繋いで玩具を使い始めた所だった。 　これはいつまで続くのだろうか。 　手放したら楽になるのだろうか。 　アランの顔には確実に疲弊の色が出ていた。 「しかし、まぁここまで耐えたのは素直に褒めてやるよ。なんたってこの薬は大人でも数時間と持たねーからなぁ」 　アランを辱めた男が、少し関心したように言う。とはいえ、やめる事はないのだろう。見た事のない道具が更に増えている。そこに、飲まされた薬が置かれていた。 　これ以上はもう無理かもしれない…… 　そう思った矢先、何だか外が騒がしく聞こえてきた。 何か叫ぶような、喧騒な感じがする。 　ガブリエルの側近の男も変に思ったのか、部屋の入り口の方へ向かった。 　その瞬間、ドアが派手に蹴破られた。 　入り口付近にいた男は、突然の事に避ける間もなくドアと板挟みになってひっくり返って打ち所が悪かったのか男はのびた。 「大丈夫ですか！？アラン王子！！」 　アランは吊された状態から、顔をあげるとそこにクリスが居た。 　クリスはアランの姿に驚いてから、酷く眉間にシワを寄せると手に持っていた剣で、アラン繋がれていた鎖を断ち切った。 「おい、追ってが来た！速くずらかるぞ！！」 　ドアの向こうから、ダニスが顔を覗く。 　その顔を見た瞬間、アランの瞳から涙が込み上げた。不思議な事にそんなに離れてから経っていないはずなのに、長い事離れていたような気がした。 　アランは、呆然としているとクリスがアランのあられもない姿に見かねたのか自分の正装用のコートをアランの肩にかけた。 「動けますか？」 アランはこくりと頷いてから、今にも泣きそうな気持ちをグッと我慢した。