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第三章・46

 秀郎のマンガは、面白かった。  高校のマンガサークルで、描けずに苦しんでいる主人公。  そこに、後輩が取材デートを提案する。  取材とはいえ、ピュアな二人の初めてのデート。  後輩にリードされながらのデートは、主人公の気持ちを変えてゆく……。 「すごく、良かったです。キャラの思いとか、丁寧に描かれてて」 「奥付まで読んでくれ、って」  あ、そうでした、と美知は最後のページから、さらに進んだページに目を落とした。

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