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第一章 主よ、人の望みの喜びよ

 ぎしぎしと、床が鳴く。  ぱんぱんと、肌を叩く音がする。 「ねぇ、早くイッてよ。後がつかえてるんだから」 「だったら、啼けよ。イイ声でよ」  仕方ないなぁ、と小室 空(こむろ そら)は背後の男子生徒に言った。 「オプションで200円取るけど、いい?」 「いいから、啼けよ!」  途端に空はスイッチが入ったように、さえずり始めた。 「あぁん! あッ、そこッ。あッ、あッ、あぁあん!」  その奔放な声に、男はたちまち昇りつめた。 「で、出るッ!」  びゅるびゅると、スキンの中に精が溜まってゆく。  その生温かさを、空は感じていた。

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