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第一章・6
雅臣は、αの父と母を持つ、サラブレッドだった。
国内でも有数の資産を誇る、神一族。
その嫡男として生まれた。
幼いころから英才教育を施され、限られた人間しか入学を許されない優秀な学校に通っている。
15歳のこの冬に、一か月間だけ地元の公立中学校へ編入することになったのは、今のうちに下々の営みを見て社会勉強を、という父の意向だった。
α、β、Ωの入り混じった教室は、雅臣にとって興味深いものだった。
そして、そんな中で過ごすうちに、Ωは差別されていることが多い、との事実に行き当たった。
雅臣の暮らす屋敷にも、Ωの使用人はいる。
しかし、ここまで露骨に虐げられている姿を見るのは初めてだった。
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