22 / 107
第一章・22
「小室くん!?」
「僕のこと、好きにしていいよ。どんなに玩具にしてくれても、構わないよ」
「ま、待ってよ。小室くん!」
私は何も、君の身体を弄ぶためにお金を払ったんじゃないよ、と慌てて雅臣は空を制した。
「君のピアノの腕に、惚れこんだんだ。私のために、ピアノを弾いて欲しいんだよ」
信じられない、といった顔で、空は雅臣を見た。
今まで、お金はセックスで稼いできた空だ。
同級生は、時には教師まで、お金を払って空に群がった。
お金は身体に支払われるもの。
そんな日々を送って来た空に、雅臣の言葉は信じがたかった。
ともだちにシェアしよう!