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第一章・21

「大丈夫? 小室くん」  目隠しを取った空の前には、雅臣が立っていた。 「……神くん?」  なぜ、神くんがここに?  ここはどこだ?  神くんの、家? 「1千万円で君を落札したのは、私なんだ。ごめん」 「え……」  じゃあ、あのオークション会場で僕を買ってくれたのは、神くん? 「ごめん、って。なんで謝るのさ」  空の眼に、涙が沸き上がって来た。 「これで父さんの借金、返せるよ。ありがとう、ありがと……」  空は涙を拭って、椅子から立ち上がった。  そして、おもむろに制服を脱ぎ始めた。

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