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第42話

 近くにあったカフェに入ると、女の子は白い歯を見せて笑ってから窓際にあるカウンターの椅子に腰かけた。 「誠也さんは何を飲む?」 「いや、俺が奢ってあげるよ、君は何飲む?」 「じゃあ抹茶ラテ」  誠也は店員のところに行って「抹茶ラテ2つ」と言った。 「私、早紀って言うの」 「ああ、早紀ちゃんか。店に行ってくれてありがとな」  誠也は連絡先を教えた。 「なんで店を休んでるの?」 「お父さんが危ないんだ。くも膜下出血だって。だから暫くはフェニックスに行けない」  誠也はつらそうな顔をして抹茶ラテを口に運んだ。思っていたより甘くなかった。早紀ちゃんは心配そうな顔になった。 「ゴメン、ゴメン、でも、もし辞めることになっても連絡する」 「うん、ねえ、記念に写真撮っていい?」 「ああ、いいよ」  早紀ちゃんは誠也の横に来て腕を伸ばしてスマホの画面を剥けた。何枚かシャッターを押すと2人で画像を確認した。 「これ、後でLINEで送るね」 「ああ、よく撮れてるよ、可愛い」  誠也は早紀ちゃんの顔を見て言った。

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