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第41話
7時になって会社を出る。渋谷駅に向かって歩くと、通り過ぎた女の子に見覚えがあった。案の定その子は引き返して来て誠也の肩を叩いた。
「ねえ、誠也さんじゃない?フェニックスの」
「ああ、そうだよ、君のこと覚えてる。お客さんだったかな」
「うん、1ケ月くらい前かな、友達と行ったんだ。それで、いいなって思ってたの。つい最近、月曜日に行ったら休みだって言われちゃって、ここで会えて良かった」
女の子は目を輝かせる。
「店に行ってくれたんだ。でも当分出勤出来ないと思うよ」
「えー残念」
「メールアドレスかLINEのID教えてよ、店に行けるようになったら連絡する」
もしもだが、お父さんが元気になったら職場に復帰出来る。
「うん、あ、時間あったらお茶しない?」
本当は急いでいるんだけど、大事なお客さんだし、連絡先を交換するのにお茶くらいはいいだろう。誠也はにっこり笑った。
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