12 / 95

第12話

たった… タッタ… セイの股間に目を向けると確かにテントを張っている。そして理解した。 「勃った!?なんで?え?」 真剣勝負中にちんこ勃つバカどこにおるんや。 ここにおるな… えー… たぶん嵐とセイ以外のこの場にいる者は 皆同じ気持ちだ。ドン引き。 嵐は「兄貴!俺もっす!」とか言っている。 ギャラリーも「俺らも…」とか言ってるし、 …なんでお前らも勃っとんや。 嵐とセイ以外のこの場にいるヤツらは あっち派でした。 「なんでってなぁ… お前鏡で自分見てこい。今すぐ。 いつもより潤んだ瞳、色付いた頬、荒い息遣い、顎から落ちた汗が鎖骨を通り服の中にツーっと消え…とにかくなんやその色気!いつもより色気がやばい。お前は魔性の男か!」 周りを見渡すと 嵐も他のギャラリーもセイの言葉にうんうんと頷いている。 「セイ続行できるん?」 「無理です。」 「んなら俺の勝ちやな。 まあ、でもこんなん勝った内に入らんけん 引き分けってことで。 俺先部屋戻るわー あ、お前ら全員変態やな。」 それだけ言い残し俺はこの場を後にした。 たぶん最後の「お前ら全員変態やな。」に関してはゴミを見るような目をしていた自覚がある。 魔性の男ってなんやねん。 セイ棄権の引き分けなので、 条件の方は 別れる保留、撮影無しに決まりました。 いつになったらちゃんと別れれるんやー!!! ─ 俺が帰ってシャワーを浴び出ると 「ユウー」 セイが帰ってきていた。 とりあえず呼ばれたのでセイが座っているソファに近づくと 「おわっ」 「ユウ捕まえた」 はい。押し倒されました。 「なん…んっ!」 そしてキスされました。 「せ、ぃっん。」 「ユウ。」 「ま、っうぅ。」 「なあ、ユウ。」 いや、退いて! 喋ろうとしたら口を塞がれるので上手く喋れない。 抵抗してるのに逃げないようにどんどん激しくなるキス。 頭がクラクラして来て何も考えれなくなって 抵抗をやめると 「ユウ。かまん?」 「はぁ、なに?」 「コレ」 と言い俺の太ももに硬くなったそれを 擦り付けてくる それはつまり… えっちしよって事か? 「な、なんでっ」 「ユウが外出して帰って来てから1回もしてないし俺はもう結構限界なんや。 それに、今は保留中なんやろ? なら今まで通りでええやないか。」 保留中やけども… 良いじゃんかセイの事好きなんやろ?って言ってくる悪魔と 保留中ですが別れてないのでアリだと思いますよって言ってくる天使がいる。 いやいや! どっちもしていいよ!って事やないか! …えんかな? こんな、こんな中途半端な気持ちで ユウとして本当に良いの? 本音を言えば、したい。 でも、セイと別れようとしているのに セイの気持ちを弄ぶことになる気がする。 それは絶対ダメや。 セイの胸板を手で押し拒絶する。 「今はあかん。 保留中やからこそ俺が今それを許してしまうと お前の事を弄ぶみたいで嫌やから。」

ともだちにシェアしよう!