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第42話

あの後昼間の疲れもあり、 散々焦らされセイと一緒に果てた俺は 意識を手放した。 ー「んっ。」 意識が浮上し目を覚ました。 時計を確認すると 「2時過ぎか。」 短い針が2を長い針が12と1の間にある。 太陽の光が部屋に入って来ていないと言う事は、 夜中の2時なのだろう。 周りを見渡すとどう見てもセイの部屋で、 俺の身体に絡みつくセイの体温。 「…帰って来てどうしたんやっけ? てか、なんで俺裸?」 寝起きで頭が回らない… なんでセイの部屋? なんで裸で抱き合って寝てんだ… てか、なんか横腹に当たってるんですけど! 「帰って来てドロドロに甘やかしてやったやん。 やけん裸。」 「あ、そういえ…っ!?セイ!」 セイ寝てると思ってたのに… 起きていたのか。 急に話しかけてくるからびっくりした。 そのおかげで、 頭が覚めいろいろフラッシュバックして来る あぁ。そうか。 帰って来て何故かスイッチ入ってしまったセイ玄関のドアに壁ドンされキスからのベッドに連れてこられ手錠で拘束され、媚薬を打たれ、ローターで逝き狂い、その次は逝かせてくれなくて、焦らされ……ぁぁぁァぁ。 散々セイを求めさせられ、強請ったなぁ、。 「…あ。」 「思い出した?」 そりゃもう。全部思い出した。 身体が綺麗になってるしシーツも取り替えられているので、セイが全部してくれたのだろう。 「ん。後片付けありがと」 「どういたしまして。身体大丈夫か?」 「大丈夫。」 そんなことよりも、だ。 聞きたいことが山ほどある。 でも、まずは… 「なんで媚薬なんて持っとんや?」 これからや。1番気になる。 てか、注射の痕残ってないよな? 打たれたところを確認していると 「あー、雨宮がくれた。 お前と使えよーって! 注射の痕は心配せんでもないで。 普通のより繊細な針やから痕残らんって 雨宮が言いよったぞ。」 痕残らんやつか。良かった。 って!? 「はぁ?仁さんが!?」 雨宮 仁(あまみや じん)と言うのは、 俺の母親の兄で鬼頭組の若頭をしている 俺の叔父だ。 「そう。」 何故、仁さんがそんな物を急に セイに渡すのか… 「お前…またなんか相談したんとちゃうんか?」 「いっ、いや!して…ないぞ!!!」 「嘘つけ。」 めちゃくちゃどもっとるやないか。 昔からセイは俺と何かあるとその事を全部 仁さんに相談する。 小学生の頃は、 「ユウと喧嘩した… 俺もう生きていけん。」って 中学の頃は、 「ユウに拒絶された…俺アカンねん。 ユウ見よったら触れたくなる。でも、ユウに嫌われた。どなんして生きていけば。」って、 どんだけ生きていけんのや。。 その度に、仁さんに呼び出され諭されてきた。 付き合う時も 俺は断ってたのにそれをセイが仁さんに相談して 「若もあぁ言いよる事やし付き合えばええやん。若以上にお前を幸せに出来るやつおらんのやから。」って諭された… 今回のはどうせセイが「ユウに別れてくれって言われた」って相談したんだろう。 セイがセイなら 仁さんも仁さんだ。 なんで媚薬だよ! これならいつも通り呼び出される方が 断然マシだわ!

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