8 / 239
第一章・8
「海江田クン、おはよ!」
人懐っこい女子の声。
クラスで一番明るい、坂井(さかい)だ。
こいつだけは、俺に声をかける。
いや、クラス全員に声をかけるのだから特別ではないか。
「何か言うことない?」
いつもなら、おはよう、だけで終わる坂井が珍しく身を乗り出してくる。
「別に」
特に言うことも思いつかない。
そんな弦に、坂井が非難の言葉を浴びせる前に、後ろから裏返った声が響いた。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
8 / 239
ともだちにシェアしよう!