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第二章・8
『先輩! 僕、先輩のことが、ずっと前から好きだったんです! だから……だから……」
ギョッとした文章の横には、絡み合うふたりの挿絵が!
むッ胸がないところから察するに、これは男同志!?
とんでもない、こんなもの読めるかと仰天しながらも、気になって仕方がない。
ちらりぱらりと興味本位で読み進めると、あられもない情事の様子が延々と綴られている。
『先輩。あぁ、もっと強く抱いて!』
いかん! と勢いよく本を閉じた。
どうしても、千尋と重なってしまうじゃないか!
本を急いで坂井の机に押し込むと、弦は教室から飛び出した。
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