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第二章・7
つき返そうとしたが、坂井は騒ぎながらすでにドアの方へと向かっている。
後を追うのも面倒だし、後で坂井の机の上に返しておこうとその本を傍らに置いて足を組んだ。
読んでいた本は、すぐに結末が見えてしまったので早々に閉じた。
退屈だ。
スクワットでもするかと立ち上がりかけた時、手に坂井の本が当たった。
考えなしに、めくりだす。
挿絵は少女マンガ風で、まったく気質に合わないものだった。
だが、つまらんと閉じる寸前、とんでもない一文が目に飛び込んできた。
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