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第三章・19

 目線を上げると、そこにはまだ半裸のままの弦の姿があった。  千尋の胸に、性欲がむずむずと湧きあがる。  ああ、せめて服を着てくれていれば、こんな変な気持ちにはならなかったのに!  見ると、なぜか弦のものは半立ちになっている。  下着の上からでも分かる、その膨らみ。  弦もまた、落ち着かない気持ちを持て余していた。  風呂上がりの千尋。  夏なので、半袖に短パンという露出の多い恰好をしている。  そこからのぞく滑らかな白い肌。濡れた洗い髪が色気をかもす。 「弦先輩……」  半開きの口が、もの欲しそうに見えるのは気のせいか。  先程あんな淫らな動画を見てしまったので、劣情が頭をもたげてくる。

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