119 / 239

第五章・13

 夜も更けた。  宿題は済ませたし、シャワーも浴びた。  さて寝るぞ、と弦は千尋に宣言した。 「先輩、先に寝てください。僕はお弁当の……」 「お前も寝るんだ!」  弦に無理やり腕をとられ、寝室へ引きずられるように入った千尋は驚いた。  部屋がすでに、エアコンでキンキンに冷やしてあるのだ。  そして、有無を言わさず自分のベッドではなく弦のベッドへと押し倒された。 「や。弦先輩、今夜はダメです! 明日、学校でしょう!?」  夜更かししては翌日に響くため、二人愛を交わすのは休日前と決めている。  だが弦はそれを破って、千尋を抱きにかかった。

ともだちにシェアしよう!