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第六章・13
さっそく翌日から、弦は千尋の言葉を実行に移した。
誰を見るかは決まっている。
(千尋、ちゃんと声を出しているな)
にこにこと弦の音頭に合わせて声を上げる千尋は、これだけ大勢の人間の中でもすぐに見つけることができた。
そして。
(どんだけ可愛いんだ、お前は!)
周囲の人間が、女子でさえもがジャガイモに見えてくる。
それくらい、千尋の可愛さは際立っていた。
(惚れ直したぞ、千尋!)
強面の応援団長が、まさかそんなことを考えているとはつゆしらず、白組は毎日昼休みに応援練習に励んだ。
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