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第六章・38

 時計を見ると、すでに19時を回っていた。  抱き合ったまま離れたくはなかったが、そういうわけにもいかず弦は千尋にシャワーを使うよう促し、自分も長ランを脱いだ。  さっきの行為で汚れていてはまずいなと裏表よく調べてみたが、大丈夫なようだ。  皺をのばすためにハンガーにかけているところで、玄関のベルが鳴った。 「こんばんは! 海江田クン、今日はお疲れ様!」 「坂井!」  弦と同じクラスの腐女子・坂井。  彼女が、なぜここに!?

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