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第八章・9

「海江田くん、すごい……」 「男子! みんな海江田くんを見習って!」  これには男子全員が窮地に立たされた。  あの堅物の海江田でさえ、こなして見せる執事役。  できなければ末代までの恥、とばかりにみな真剣になった。 「お帰りなさいませ、お嬢様」 「お席はこちらでございます」 「どうぞおくつろぎください」 「こちらがメニューとなっております」 「お嬢様、お口に合いましたでしょうか?」  休み時間にはバタバタと教室中を駆けまわっていた男子たちが、次第に華麗な身のこなしで机の間をすり抜けてゆくようになった頃、いよいよ文化祭当日がやってきた。

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