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第八章・10

「先輩のクラス、きっと行きますからね!」 「……無理して来なくてもいい」  弾んだ千尋の声に反して、弦はやや沈んだ返事をよこした。  土日を使っての文化祭。  お客は保護者だけではなく、近所に住む高齢者から小中学生、はては他校の生徒もやってくる。  かなり忙しくなるだろうからと、弦のクラスは人数を三分割してローテーションを組んで動くことにした。  接客・オーダーの準備・後片付け、これらを交代でやってゆく。   さすがに本物の衣装を準備することなどできないので、そこは制服に細工をしてそれなりに見えるよう工夫した。    学校から支給される予算の額は決まっているので、激安ショップで飲み物やお菓子を準備。  食品衛生上、教室で調理や加工ができないため、缶ジュースや個装してあるお菓子を開けずに出す。 「こちらがメニューとなっております」  などと恭しく言っても、そのメニューには『ペ○シ』『ファン○オレンジ』『カ○ビーポテトチップス(小)』チョ○パイ(一個)』と、おなじみの名前が並んでいるだけなのだ。

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