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第11話 ※

本作品は一部性的描写が含まれている可能性がございます。 すみません。 今回は少し背後を気にしつつ閲覧していただきますようお願いします。 バスとか電車とか家族の前とかはやめてくださいまし。         ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ここじゃヤリにくいからベッドに行こうぜ。」 男に抱かれたショックと力の入らない体はろくに抵抗できず、ベッドに連れ込まれる。 俺の心はどんどん冷えて行くのに対して、熱く興奮している毅は閉じることを許さない肢体を貪り尽くした。 地獄のような長い時間はやっと終わって毅は隣で寝息を立てている。 安い絨毯の上で擦られた背中が痛い、毅が何度もえぐった双丘はもっと痛い………痛くても辛くても悲鳴をあげられない自分に変わって、とぷとぷといつまでも毅の放ったものを吐き出してベッドに染みをつくり続けている。 こんな所すぐにでも出て行きたかったが、ドアの鍵は開かない。 精神的にも肉体的にもボロボロでとても動ける状態じゃなくて、その日はそのままラブホに一晩泊まる事になってしまった。 「俺は………お前とは付き合えない。」 翌朝、一睡もできなかった俺は、やっと言葉を絞り出すと、毅はまたベッドの下に飛び降りて土下座をはじめた。 「いやだ、俺は別れたくない。初めてなんだ。こんなに我を忘れるほど好きになるなんてお前しかいないんだ。」 「……」 床に落ちている自分の服を拾おうとするが下肢に力が入らずその場に座り込んだ。 毅が抱き起こしながら「その状態じゃ何も出来ないだろう。」と自身のマンションに俺を連れて行った。 こんな事があって大学なんか続けられるわけないと、毅と別れて大学もやめると告げた。 なのに毅は毎日の大学の送り迎えと身の回りの世話、そして自分がどれだけ愛しているかを聞かされた。 部屋にいるときは「頼むっ、俺と付き合ってくれ。」の言葉と共に土下座してくる。 必死な姿にほだされて、結局毅と付き合うことになった。 抱かれる悦びを得るようになったのは、初めての時から一カ月も過ぎた後だった。 * * * * * * * * * * * * * * * * 「…付き合って下さい………か……」 中島は自分に言い聞かせる様に考え込んで呟いている。 「先生もその人の事、好きで両想いだったんですか?」 「俺の事はもう良いだろ!とりあえず俺がお前に言える事は頑張って告白すること!あ、恋愛も良いけど勉強を優先にしろよ。」 「…はい。」 中島は自信なさそうに俯いたままだ。 生徒に偉そうに恋愛相談なんて場合じゃない。 自分の恋人の事だって捕まえておくのも大変なのに……。 中島が席に戻り参考書を手にした所でドアがノックされた。 「失礼します。」 部長が美術準備室に来た。 「どうしたんだ?いつもより随分早いな。」 「今日は衣装の打ち合わせだけだったんです。これから皆で生地を買い出しに行くので早めに終わらせたました。先生、鍵、有難うございました。」 部長が中島の傍を通った時に急に立ち止った。 「中島先輩、前からお聞きしようと思っていたんですけど、これグレープフルーツの香りですか?」 「いや、シトラスだけど…変かな。」 「いいえ、とてもいい香りなので、どこのメーカーですか?」 へえ、この香りがシトラスなのか。名前はなんとなく知っていたけど香りと合致していなかった。この香りは中島に良く合う。 部長は中島と香りの話を少した後すぐに出て行った。 「それじゃあ、俺も帰ります。」 中島も部長を追うように鞄に参考書を詰めて帰り支度を始めた。 そう言えば中島は勉強を全くしていなかったな。 ………!…………そうか! 中島の好きな女の子は部長なのか! だからここにいたいって言って来たのか。 今日、一緒に帰って告白するつもりなんだな。 告白するって勇気がいるもんな~。 まさに青春って感じだな。 「先生、さようなら。」 「おう、お前も頑張れよ!報告まっているぞ。」 「………はい…」 中島は元気なく答えるとドアを閉めて行った。 あの沈んでいる様子じゃ、告白はまだ先になりそうだな。    

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