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第15話

 そんな契約を交わしてから、仁は数日に一回霧也を訪れるようになった。 「よ! 元気?」  まるで、親友のように訪問する仁。 「ケーキ持ってきたぜ」  そしていつも、手土産も持ってくる。  ケーキに花束、雑誌に小さなぬいぐるみ。 「構うな!」 「デートは楽しい方がいいじゃん」 「デートじゃない!」  それでも、一緒にケーキを食べたり雑誌を読んだりしていると、心がくつろぐ。  今日こそ犯されるのではないか、という緊張感がほぐれてゆく。  そうやって、霧也がリラックスした頃を見計らって、仁は儀式を始めるのだ。

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