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第17話

『俺ともう一回セックスしたら、この画像消すから』  一回だけのつもりだった。  一回だけのはずだったのに!  そんな霧也の髪を、仁は宥めるようにさらりと撫でた。 「もう突っ込んで欲しいのか?」 「違う!」 「じゃあ、やっぱりまた今度な」  このままでは、駄目だ。    霧也は、すっかり仁のペースに嵌っている自分を猛省した。 『挿れて中出しして初めて、セックスが成立だぜ?』  こんな仁の詭弁にまるめこまれて、何度も逢瀬を続けている。  こちらから、踏み出さなきゃいけない。現状を打破するのだ。 「でも、どうすれば……」  仁は、また数日後に現れる。その時までに、何か策を。  霧也は、急いでタブレットを手にした。

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