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第21話
「ッ! あ、あっ。や……っ、あ! ああぁあ!」
熱い仁の精液が、体中に満ちてゆく。
同時に達した霧也は、くったりと脱力してその感触を味わった。
(気持ち……悦かった……)
はぁはぁと息を整えながら浮かんだのは、そんなはしたない感情。
これで終わった、という安堵の思い。
そして、髪を撫でてくれる男への想いだった。
私は
仁を
そこまで考えた時、彼がぽつりと呟いた。
「俺さ、お前に惚れてたんだよね」
(え?)
その続きは口にせず、仁は起き上がった。
「動けるか?」
「あ、あぁ」
後は、服を整えた。
仁はやはり何も言わず、衣擦れの音だけが響いていた。
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