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第25話
舞い上がる仁に、霧也は一生懸命弁解している。
「勘違いするな!? お前に抱かれ続けたからじゃないぞ! それとこれとは、無関係だからな!?」
「じゃあ、どうして」
「それは、その。私も……以前から、お前の事が、ずっと……気になっていて……」
ああ、もう。
もう、何も言わなくてもいいよ。
仁は、黙って霧也を抱き寄せた。
キスして、いい?
こんな事を尋ねようかと思ったが、やめた。
そっと、顔を寄せる。
それだけで、充分だった。
霧也は軽く瞼を閉じ、顎を上に向けてくれた。
今こそ、恋人らしいキスを。
唇が重なり、ふたりの関係は今ようやく始まった。
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